「空き家をシェアハウスにして、成功した事例ってあるのかな……」
と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
シェアハウスとは、複数人で同じ一軒家やアパートに住み、キッチンやリビング、トイレなどを共有する暮らし方のことです。家賃の安さや交友関係が広がることから、20〜30代を中心に人気を集めています。
そして近年、空き家をシェアハウスとして活用する企業や地方自治体が増えつつあります。しかし中には失敗事例も多く、空き家をシェアハウスとして運営することはなかなか簡単ではありません。
そこで今回は、空き家をシェアハウスに活用した事例から、
・成功事例と失敗事例
・成功事例と失敗事例の違い
・空き家活用を成功させるポイント
などを紹介します。
空き家をシェアハウスにするメリットなどについては、こちらの記事で解説しています。気になる方はチェックしてみてくださいね。
「空き家をシェアハウスにリフォーム!メリットや費用、成功事例などすべて解説します」
まずは失敗事例から見てみましょう!
空き家活用としてシェアハウスに!失敗事例編
Aさんは両親から住宅を相続しましたが、自身もマイホームを所有しています。そのため空き家を活用する方法として、賃貸物件としての貸し出しを検討していました。
そしてしばらくしてから「シェアハウスが流行している」と耳にします。そこでAさんはさっそくシェアハウスについて調べたり、シミュレーションを行ったりして空き家をシェアハウスとして運営することを決意します。
シェアハウスの物件情報サイトを活用したこと、立地がよかったことなどから、入居者はすぐに決定しました。しかし設備が古かったため、入居者からは毎日「給湯器が壊れた」「窓ガラスが閉まりにくい」など連絡が途絶えません。
さらに修理代はすべてAさんが負担していたため、家賃収入が入る前から赤字経営に。しばらくたっても費用を回収できないため、Aさんはシェアハウスを閉めることにします。
そして入居者にシェアハウス閉鎖の連絡をしますが、入居者はなかなか許可してくれません。実は明確な契約期間を決めていなかったため、連絡から1年後まで入居者は出て行ってくれませんでした。
「もう絶対にシェアハウスはしない」と決めてしまうほど、今回の件でシェアハウス運営に困難を感じています。
空き家活用としてシェアハウスに!成功事例編
株式会社エアサイクルハウジング(http://www.passive.co.jp/reform/share_house.php)は、空き家をシェアハウスとして活用する取り組みを行っている企業です。家族から譲り受けた持ち家や古くなったアパートなど、空き家の種類は問いません。
そして成功事例に、ペット可のシェアハウスとしてリフォームした空き家があります。
依頼者のBさんは、木造2階建ての持ち家を所有していました。しかし自宅は別にあったため、空き家として誰も住んでいない状態です。なんとか活用できないかと思い、専門会社に相談したのです。
Bさんの住宅は畳中心の住宅で、昔ながらの雰囲気が漂っています。そのため外観から内装まで工事をし、以下のような物件にリフォームしました。
・フローリングを使用した7つの個室
・20畳のリビングとデッキスペース
・4つのバルコニー
そして他のシェアハウスとの違いが「ペットOKの物件にしたこと」です。実はペットと一緒に暮らしたいと考えている人は多いのですが、動物を許可するシェアハウスがまだまだ多くありません。
そこでペットを飼っている人向けのシェアハウスとしてオープンし、動物好きの人を中心に集客し、成功しています。
特にリビングが20畳と広いため、室内外のペットものびのびと暮らすことができています。また1,500万円のリフォーム費用も、家賃収入で回収できる見込みです。
成功事例と失敗事例を紹介しましたが、これらの違いはいったい何なのでしょうか。
次で解説しますね。
空き家をシェアハウスにした失敗事例と成功事例の違い
成功事例と失敗事例の違いは、主に以下の3つです。
・コンセプトやターゲットをしっかりと決めたこと
・リフォームや運営を専門企業に依頼したこと
・賃貸料金や契約期間など「定期借家契約」を結んだこと
特に「定期借家契約」は重要です。これは契約期間を定めて、期間が終了したら入居者は退去するというルールです。
先ほどのAさんの事例も「定期借家契約」を結んでいた場合には、もっと早くシェアハウスを閉鎖できたかもしれません。
Bさんの事例は専門会社に依頼していたため、決めておくべき契約などを見落とすことなく運営をスタートできました。
事例から学ぶ、空き家での「シェアハウス運営」を成功させるポイント
先ほどの違いから見る、シェアハウス運営を成功させるポイントは以下の通りです。
・ターゲットやコンセプトを決める
・立地の良い物件、もしくは交通手段が豊富な空き家を活用する
・リビングなど広い共有スペースを用意する
・古い住宅はデザイン性のある内装にリフォームする
・運営を専門の管理会社に依頼する
成功事例には「ペットOK」「高齢者限定」「音楽好き」など、ターゲットをしぼって住人を募集した物件が多いです。
というのも、めずらしくて需要の高いコンセプトであるほど、物件探しに苦労している人が少なくありません。コンセプトをアピールすることで、入居してくれる確率も高まります。
空き家活用で知っておきたい「セーフティネット制度」の取り組み
ここまで空き家をシェアハウスとして活用するには、コンセプトやターゲットの設定が重要だとお伝えしました。コンセプトの決定に悩んだときは「セーフティネット制度」の取り組みが役立ちます。
セーフティネット制度とは、高齢者やシングルマザー、低所得者など特定の人々に向けて賃貸住宅を貸し出すことです。
低所得の場合、賃貸マンションの入居を断られるケースが少なくありません。都道府県ごとに公営住宅の設置など対策も取られていますが、入居希望者の増加に追いついていないのが現状です。
そこで2017年より、新たな住宅セーフティネット制度として、空き家活用の動きが見られています。セーフティネット制度の対象者に賃貸物件を提供することで、以下のメリットがあるからです。
・入居希望者:住宅が見つかる
・空き家所有者:持ち家を有効活用でき、家賃収入も増える
コンセプトに迷ったときは、セーフティネット制度を参考にしてみてください。
空き家活用としてシェアハウス運営をスタートする流れ
最後にシェアハウス運営の流れを紹介します。
1.不動産会社やシェアハウス会社に相談する
2.賃貸条件を決める
3.賃貸料金や契約期間を決める
4.シェアハウスのターゲットとコンセプトを考える
5.コンセプトにあわせて物件をリフォームする
6.シェアハウスのルールを決める
7.(必要あれば)家具を用意する
8.シェアハウス物件サイトなどで入居者を募集する
シェアハウス管理会社などに相談することが、成功への近道です。気になる方は、検討してみてくださいね。
まとめ 空き家をシェアハウスとして活用した事例から、成功のポイントを学ぶ
今回はシェアハウスとして空き家活用に取り組んだ事例を紹介しました。
失敗事例と成功事例の違いは、主に以下の3つです。
・コンセプトやターゲットをしっかりと決めたこと
・リフォームや運営を専門企業に依頼したこと
・賃貸料金や契約期間など「定期借家契約」を結んだこと
そしてシェアハウス運営を成功させるポイントとして、以下の5つを紹介しました。
・ターゲットやコンセプトを決める
・立地の良い物件、もしくは交通手段が豊富な空き家を活用する
・リビングなど広い共有スペースを用意する
・古い住宅はデザイン性のある内装にリフォームする
・運営を専門の管理会社に依頼する
今回の記事を参考に、シェアハウス運営の相談からはじめてみてはいかがでしょうか。
また空き家をシェアハウスにする場合、自分自身がオーナーになることもあります。
オーナーの仕事について、詳しくは「シェアハウスオーナーの仕事とは?メリットからトラブル対策まで解説」を読んでみてください。