「空き家をコミュニティスペースとして活用したい……」
と考えている方は多いのではないでしょうか。
空き家を地域のコミュニティスペースとして活用することには、以下のメリットがあります。
・新たな収入が得られる
・災害時の居場所としても活用できる
・交友関係が広がり、地域の活性化につながる
また空き家をリフォームしてスペース運営をスタートし、成功した自治体も多いです。
とはいえ、空き家をコミュニティスペースとして活用することは、まだまだイメージしにくいですよね。
そこで今回は、
・コミュニティスペースとは
・空き家をスペース運営に活用するメリットとデメリット
・空き家をリノベーションした埼玉県の事例
を紹介します。
まずはコミュニティスペースについて、ざっくりと理解しましょう。
空き家をコミュニティスペースとして活用する人が増えている
コミュニティスペースとは、地域の人々が交流することを目的として作られている場所のことです。カフェや仕事場としてオープンするところもあり、新たな居場所として注目を集めています。
そして近年は、空き家をコミュニティスペースにリフォームする人が増えつつあります。
というのも今までのコラムでもお伝えしてきたように、空き家増加の問題はなかなか解消できていません。また少子高齢化や核家族の増加によって、人とのコミュニケーションも減りつつあります。
コミュニティスペースの需要が高まり、結果としてスペース運営を始める人が増えています。
コミュニティスペースへの訪問は、地域住民や観光客など属性を問いません。スペースでの出会いから友人になる、仕事につながるなどさまざまな発展があります。
そしてスペースでの出会いが、地域の交流や経済を活性化させることにつながります。
空き家を使ったコミュニティスペースの使い方
コミュニティスペースは、以下のように活用できます。
・カフェ
・イベントスペース
・コワーキングスペースやシェアオフィス
・高齢者向けの交流場
・図書館
またコミュニティスペースとしての活用は「空き家再生ビジネス」などともいわれています。空き家をリフォームし、賃貸として貸し出したりスペースとした運用したりして、収入を得ています。
とはいえ、空き家をコミュニティスペースとして活用して本当にうまくいくのかは、なかなかわかりにくいですよね。
そこで次は、空き家をコミュニティスペースに活用するメリットとデメリットを紹介します。
空き家をコミュニティスペースに活用するメリット
・新たな収入が得られる
・災害時の居場所としても活用できる
・交友関係が広がり、地域の活性化につながる
空き家を有料制のスペースにした場合、新たな収入源になります。
また住民同士のつながりが強まり、災害時の居場所になることも少なくありません。交友関係も広がり、地域全体が活性化することにつながります。
空き家をコミュニティスペースに活用するデメリット
デメリットは以下の通りです。
・リフォーム費用がかかる
・スペースの宣伝が必要になる
スペースとして利用してもらうまでには、リフォームと宣伝が必要です。費用をおさえたい場合には、補助金などを活用するのがおすすめです。
ここまで空き家をコミュニティスペースとして活用する、メリットとデメリットを解説しました。
続いては実際にスペース運営をはじめて成功した事例を紹介します。
空き家をリノベーションした自治体の事例:コミュニティスペースとして活用
埼玉県秩父市にあるNPO「秩父こみにてぃ」は、空き家をリフォームし、コミュニティスペースも兼ねたアートセンターとして運営しています。
市内には明治に建てられた空き家があり、もともとは解体して駐車場にする予定でした。しかし街の住人が協力して、スペースとして活用することが決まります。
庭や離れが荒れ放題の状態だったため、まずはリフォームすることに。外壁や内装を補修し、耐震補強工事なども行いました。
またこのときに「県文化振興課」の助成事業について知り、その助成金を活用しています。そのためNPOによる費用の負担は、それほど多くはありません。
工期に遅れそうなどトラブルはありましたが、無事にリフォームが終了。アートセンターとして作品の展示やコンサートなどを開催しています。
このように空き家をコミュニティスペースとして運用し、成功した事例は少なくありません。
しかしスペース運営について、注意したいポイントもいくつかあります。次で解説しますね。
人が集まるコミュニティスペースとして空き家を活用するために大切なこと
コミュニティスペースとして運営するときには、以下の注意点があります。
・オーナーやイベント参加者の顔がわかる
・利用する時間やサービスがわかりやすく、選びやすい
・リフォーム費用などを回収できる料金設定にする
スペースができたとき、地域の住人の方々は「どんなスペースなんだろう?」と感じていることが多いです。そのためホームページなどで、オーナーの顔写真やイベントの様子、利用時間など情報を伝えることが欠かせません。
また無料のスペースではなく、費用を回収できる料金設定も重要です。
まずは他のスペースを訪ねてみるなど、実際に体感してみるとわかりやすいです。
まとめ 空き家をコミュニティスペースとして活用し、地域の活性化を
今回は、空き家をコミュニティスペースとして活用することについて解説しました。
空き家でスペース運営をするメリットは、以下の3つです。
・新たな収入が得られる
・災害時の居場所としても活用できる
・交友関係が広がり、地域の活性化につながる
そして成功事例として、埼玉県のNPOの取り組みを紹介しました。
まずは近くにあるスペースを使って、コミュニティスペースがどのようなものなのかを、知ることから始めてみてはいかがでしょうか。