「空き家になっている一軒家をシェアハウスにしたい……」
と感じている方は多いのではないでしょうか。
空き家をシェアハウスにすることは、以下のメリットがあります。
・空室のリスクが低い
・人との出会いが増える
・オーナーは家賃収入を入手できる
部分的なリフォームでは、200万円からシェアハウスをスタートできることも。空き家の活用が、収入や交友関係の広がりにつながります。
そこで今回は、
・空き家をシェアハウスにするメリットとデメリット
・空き家をシェアハウスにした事例
・シェアハウス運営に必要な6つのこと
などを紹介します。
まずは空き家とシェアハウスの関係から見ていきましょう。
空き家をシェアハウスにすることで、持ち家を活用できる
シェアハウスとは、ひとつの物件に複数人で住む暮らし方です。初対面の人と3〜10人ほどで暮らすことが多いです。
2015年時点でシェアハウスを運営する企業は334社にものぼり、空き家を活用した物件も少なくありません。実際にシェアハウスをはじめた理由に「自己の所有物件を自己で運営している」と回答した企業は31.0%にものぼります。
出典:国土交通省「シェアハウスに関する市場動向調査結果について」
http://www.mlit.go.jp/common/001151588.pdf
そしてひだまりでは空き家問題の対策を、以下のコラムで解説しました。
「空き家問題の概要と対策とは?解決策を知って、住宅を有効活用しよう」
記事の中で「空き家はシェアハウスにすることもできる」ともお伝えしています。空き家をリフォームとしてシェアハウスや民泊にするケースが増加しており、空き家問題解消の対策として注目が集まっているからです。
とはいえ、空き家をシェアハウスにするときには、さまざまな不安もつきまといますよね。
そこで次は、空き家をシェアハウスにするメリットとデメリットをお伝えします。
空き家をシェアハウスにするメリット
空き家をシェアハウスにすることは、以下のメリットがあります。
・空室のリスクが低い
・人との出会いが増える
・オーナーは家賃収入が入手できる
シェアハウスは入居と退去のサイクルが賃貸マンションよりも早いぶん、空室になることが少ないです。またさまざまな職業や経験のある人が集まるため、交友関係が広がりやすいです。
空き家をシェアハウスにするデメリット
空き家をシェアハウスにすることは、デメリットもあります。
・清掃や日用品の補充など入居後の業務がある
・住民同士のトラブルに対応することもある
・リフォームや宣伝など、入居者が決めるまでに時間とコストがかかる
シェアハウスを自分自身で管理する場合には、清掃やトラブル対応などさまざまな業務が発生します。
また築年数の長い空き家の場合、リフォームが必要なことも少なくありません。運営までに、いくらかの費用が必要です。
費用については、次で解説しますね。
シェアハウスとして空き家をリフォームした場合の費用
空き家をシェアハウスにするリフォーム費用は、500万〜1,500万円ほど必要です。これは外装から内装まで、住宅をすべてリフォームした場合の金額です。
金額に大きな差がある理由は、設備やリフォーム箇所によって値段が変化するからです。
例えば、
・スマートロックの導入でセキュリティを強化する
・リビングを吹き抜けのデザインにする
・複数のトイレやシャワーを用意する
などです。
費用をおさえたい場合は、気になる箇所だけをリフォームしましょう。部分的なリフォームの場合、費用相場は200万〜300万円とそれほど高額ではありません。
トイレやお風呂、個室など気になる箇所をリフォームするだけで、シェアハウスとして運営できる空き家も多いです。
ここまで空き家をシェアハウスにリフォームする活用方法について解説しました。
とはいえ、本当にシェアハウス運営が成功するのかは、なかなかイメージしにくいですよね。
そこで次は、空き家をシェアハウスにした成功事例を紹介します。
空き家活用の事例:持ち家を学生向けシェアハウスにリフォーム
関東学院大学が、空き家を学生向けのシェアハウスとしてリフォームする活動に取り組んでいます。
大学近くの横須賀市にある「追浜」では、空き家の増加が問題となっていました。そこで大学生たちが2年間の入居制限のある大学寮を出たあとの入居先として、シェアハウスにリフォームすることを提案しています。
空き家の現状を聴き込むうちに、学生は空き家所有者の方達と仲良くなりました。信頼関係を築いたことで、空き家をシェアハウスとして活用することを許可してもらえることに。
横須賀市からの助成金も確保し、地元の工務店とシェアハウスのリフォーム作業を進めました。そして2015年1月からのリフォーム工事は年内に終了し、無事に学生向けシェアハウスとして運営をスタートしています。
空き家調査で地域の方々と交流したことをきっかけに、地元のお祭りに参加するなど、交流も続けています。
このように、空き家をシェアハウスとして活用した成功事例は少なくありません。
しかし持ち家をシェアハウスとして運営するためには、いくつか決めておきたいことがあります。次で紹介しますね。
空き家をシェアハウスへリフォームする前に考えたい6つのこと
シェアハウスを運営する前に、以下の6つのポイントを考えてみましょう。
【コンセプト】
シェアハウスには「音楽好き」や「アウトドア好き」「デザイン性のあるシェアハウス」など、コンセプトのある物件が多いです。入居者のタイプはしぼられますが、集客しやすくなることも少なくありません。
さらには住人同士コミュニケーションの取りやすい、仲の良いシェアハウスになる可能性があります。
【ターゲット】
シェアハウスによって、入居者の年齢層や国籍などは異なります。なぜなら物件ごとに、ターゲットを設定しているからです。
ターゲットは「男女共同/女性限定」や「外国人の留学生」「シングルマザー」など。年齢や性別、国籍など最低限のターゲットを決めることで、シェアハウスの設備やデザインも決まりやすくなります。
【管理方法】
管理方法は「自分自身で管理する」と「管理会社に委託する」のふたつから選択できます。
特に空き家の所有者は、シェアハウス運営については未経験な方が多いかと思います。シェアハウス会社に管理を依頼しつつ自身はオーナーとして関わることで、シェアハウス運営の負担が減ることも少なくありません。
【賃料と契約期間】
入居者は、はじめに賃料をチェックすることが多いです。相場は5万〜6万ですが、立地やコンセプト、内装などによって上下します。
また賃貸マンションのような契約期間は、ほとんどのシェアハウスで設けていません。なぜならシェアハウスは、入居と退去のサイクルが早いからです。
「引っ越しの2ヶ月前に連絡すること」など、退去の連絡を義務付ける程度にしておきましょう。
【持ち家の設備】
トイレやシャワーの数、エアコンの有無、家具の有無など、設備はシェアハウスによってさまざまです。設備が充実している空き家の方が、シェアハウスとして運営しやすいです。
しかしこれらはリフォームのときに増設することも不可能ではありません。外観と内装、設備など、すべてをシェアハウス用に改装すると入居者が暮らしやすくなります。
【シェアハウスのルール】
多くのシェアハウスにはルールがあります。これは価値観や考え方の異なる住人同士が、スムーズに共同生活を送るためには欠かせません。
例えば「ゴミは当番制にする」「冷蔵庫の食品には名前を書く」などです。
詳しくは「シェアハウスにルールは必要!決めておくべき3つのルール例」を参考にしてみてください。
シェアハウスとして空き家をリフォームする場合は補助金も検討しよう
ここまで空き家をシェアハウスにすることについて解説しました。しかしリフォーム費用の高さに、ハードルを感じている方も多いかと思います。
費用をおさえたい場合には、自治体が提供する空き家所有者向けの補助金を検討してみてください。
条件として「地元の工務店を使うこと」などを守る必要があります。しかしリフォーム費用を節約でき、職員の方に空き家活用を相談できることも少なくありません。
気になる方は、空き家のあるエリアの自治体に問い合わせてみてください。
まとめ 空き家をシェアハウスにすることで、収入や交友関係が増える
今回は空き家をシェアハウスとして活用することについて解説しました。
おさらいすると、持ち家をシェアハウスにリフォームすることは以下のメリットがあります。
・空室のリスクが低い
・人との出会いが増える
・オーナーは臨時収入が増える
またシェアハウスをスタートする前に決めておきたいこととして、以下の6つを紹介しました。
・コンセプト
・ターゲット
・管理方法
・賃貸料金と契約期間
・持ち家の設備
・シェアハウスのルール
費用の調達が難しい場合には、補助金なども活用できます。まずはターゲットなど、決めやすい部分からシェアハウス運営の計画を進めてみてください。