今回は、石川県の能登半島にあるシェアハウスの運営者・奈良木さんにお話をお伺いしました。
奈良木さんは10年ほど前から、築300年を超える古民家で民宿を運営されています。
民宿運営からシェアハウスに興味を持ったきっかけは何だったのか?そもそも能登半島はどんな場所なのか?
詳しくお話をお伺いしました。
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奈良木さんのお仕事や経歴
ーまず自己紹介をお願いします。
奈良木美津子、73歳です。石川県にある能登半島の奥能登で「古民家奈良木」という民宿を運営しています。
ー民宿はいつ始めましたか?
もう10年ほど前ですね。もともと市役所で勤めていましたが、60歳で定年退職し、その後オープンしました。
実家がいま民宿をしている古民家で、築年数としては300年を超えているんです。
この古民家で生まれ育ち、兄弟の中で私が受け継ぎました。私は生まれてからいままで、結婚した後もずっとこの家に住んでいます。
ー確か民宿は、テレビの取材を受けたこともあるんですよね。
はい。2016年に、テレビ朝日の『人生の楽園』という番組に民宿のことを取り上げてもらいました。
ー民宿以外では普段どんな生活を送られていますか?
民宿運営の合間に、畑の草むしりや田んぼでの作業など農作業のお手伝いをしています。
だいたい週に1〜2回くらい。農繁期のときはもう少し増えます。自宅でも家で食べる野菜を作って、自給自足の生活をしていますね。
築300年超えの古民家で民宿やシェアハウスを始めたきっかけ
ー民宿を始めようと思ったきっかけは何でしたか?
最初は大学生の子が泊まりに来たこと。
子育てが終わってみんな独立して、主人とふたり暮らしになったんです。そのときに「茅葺屋根の家に泊まりたい」という大学生が奥能登にやって来ました。
しかし茅葺の家は、現在それほど多くありません。そこで「奈良木さんの家は茅葺きだから、泊めてあげてくれませんか?」と声をかけられたのが始まりです。
部屋がたくさん余っていたこともあってお招きしたら、すごく喜んでくれました。
そのときにこの家で喜んでもらえるのであれば、始めてみようかなと。
大勢の人が泊まりに来なくてもいい。少しずつでもお客さんが来れば、部屋の空気も動かすことができると考えて始めました。
ーそこから10年近くずっと続けられているんですよね。
はい。もともと関東方面からのお客さんを中心に宿泊していただき、10年ほど切り盛りしていました。
ただ始めてから2〜3年が経った頃に東日本大震災が発生し、関東方面のお客さんのキャンセルが相次いで。仕方のないことですが、宿泊してくれる人が少ないなら閉じようかなと思い始めます。
ただお客さんが来ない状態も辞めると一緒かと考えて、少なくても人が来るならとそのまま運営は続けることにしました。すると3〜4年経った頃にまた宿泊者が増えたこともあって、いまも運営は続けています。
2020年はコロナが発生しましたが、お客さんはパラパラと来てくださっています。
また私の住む能登半島は、海をイメージする方がほとんど。対して私の民宿は山の近くにあることから、予約が常に満杯になる訳ではありません。
海岸側の宿泊施設がいっぱいになると、山側の宿泊施設も予約が増えるという形です。
続けてはいるものの、コロナの影響などを考えていたときにシェアハウスについて耳にしました。
民宿を辞めるにしても、家が大きいから私1人の生活では部屋が余ります。
また同じ石川県の金沢にもシェアハウスがあることを知って、どんな風に運営しているのか調べる内に、普通の民家でも受け入れできることを知ります。
そしてさらに調べる内にひだまりを見つけて、連絡しました。
奈良木さんのシェアハウスはどんなところ?
ー奈良木さんのシェアハウスは築300年の古民家で、もともと民宿として貸し出していたスペースがシェアハウスになるんですよね。
家自体は2棟あるとお伺いしています。奈良木さんが住まれているところ、民宿で貸し出しているところの2つですか?
母屋と離れのような形で2棟あります。
茅葺きの家が母屋で、1棟まるまる民宿として貸し出していました。母屋には8帖、6帖、10帖、12帖の部屋、さらに流しとお風呂があります。
離れの方は部屋とトイレがあり、シェアハウスの入居者の方は離れを主に使用してもらうことになります。
シェアハウスとして貸し出すとき、希望があれば母屋の方を使ってもかまいません。離れは1棟と言っても1階は車庫で、実際に使えるのは2階だけなんです。
ーシェアハウスとして貸し出すとき、民宿としてお客さんの受け入れはどうされますか?
入居する方の希望次第と考えています。入居者の方が1棟まるまる使いたいなら、民宿はしません。
反対に、1〜2部屋だけ使えれば良いという場合は離れの方に住んでもらって、母屋を民宿として貸し出すことも考えています。
ーちなみに奈良木さんの親戚が遊びに来ることもあるのでしょうか?
特にないですね。冠婚葬祭など集まりが必要なときはありますが、頻度は多くありません。近くに住んでいますから、泊まることはほとんどないでしょう。
ー近隣の生活環境はどうでしょうか?
買い物は5kmほどのところで可能です。車もシェアハウスに最大10台ほど止められるため、車があれば移動も困りません。
冒頭で農作業の話がありましたが、家の前にも畑があります。ぜひ使っていただきたいです。
ー農作業をしたい人、のんびりとした暮らしをしたい人には最適かもしれませんね。
石川県・奥能登の魅力は10分で海に遊びに行けるところ
ーシェアハウスは能登半島の奥能登というところにありますよね。能登半島になじみのない方もいるかと思うのですが、どんな場所ですか?
シェアハウス自体は能登半島の中心部分にあります。周りは山と田んぼ。
ただ能登半島には海があります。シェアハウスは山の中に位置していますが、10分ほどで海に遊びに行くことができます。釣りをしたり泳いだり、海が好きな人にとっては良い場所です。
最近はスキューバダイビングなどを楽しむ人が遊びに来ていることが多いですね。
ーそうなんですね。冬はどうでしょうか。雪がたくさん降るイメージがあります。
年によって降ったり降らなかったりしますが、雪が多い年は1メートルほど積もります。
気温を見ても寒くて、12月上旬で7〜8℃くらい。この時期の東京は12〜13℃ありますから、首都圏より少し寒いと感じるかと思いますね。
代わりに夏はそれほど暑くありません。クーラーを付けることは少なく、民宿のお客さんも扇風機だけで過ごすことがほとんどです。
冬は寒いですが、海など楽しみもたくさんある良いところです。
シェアハウス生活の始まりに向けて不安はない
ーシェアハウス生活が始まるとき、奈良木さんの生活がどのように変わるのか、何かイメージはありますか?
特に大きく変わることはないと感じます。人が増える分トイレやお風呂の順番待ちは生まれるかと思いますが、生活自体はそんなに変わらないのではないでしょうか。
これまでも1週間など長く泊まるお客さんもいれば、さらに長期の3〜4ヶ月ほど宿泊される方もいます。シェアハウスの経験はありませんが、もともと民宿で他人との共同生活は経験しています。
ー確かにそうですね。シェアハウスを始めるにあたって、どんな人に住んでほしいですか?
能登半島は雪国。寒いことは覚悟していただきたいです。寒さが厳しい場所で生活できる方ですね。
あとは田舎暮らしを希望している方。例えばいまは都会暮らしであっても、小さい頃に地方や田舎で生活した経験のある方が、奥能登での生活をある程度想像できるかと思います。
田舎暮らしは想定外のこともありますから、昔でも経験があると都会暮らしの人よりは慣れやすいかもしれませんね。
ーなるほど。では、シェアハウス運営に対して何か不安はありますか?
不安は特にありません。お互いに信頼し合って生活しますから、大丈夫です。
ー信頼関係が作れるなら大丈夫、ということですよね。では最後に、奈良木さんのシェアハウスに興味がある方に向けてひと言お願いします。
山奥で不便に感じるかもしれませんが、のどかな場所がお好きな方はどうぞ。
奈良木さん、ありがとうございました!
石川県・能登半島でのどかな暮らしをしたい方におすすめ
石川県の能登半島にある奈良木さんのシェアハウス。民宿を運営されていたこともあり、他人の受け入れや共同生活には慣れていらっしゃるように感じました。
また奥能登の周辺は首都圏に比べると不便かもしれませんが、海も山もある贅沢な場所です。実際にシェアハウスから10分の場所に海があるため、日々の息抜きに遊びに行くのも良さそうですね。
田舎暮らしに興味がある方、自然に囲まれたスローライフを送りたい方はぜひお問い合わせください。
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