「コレクティブハウスって何だろう」
と感じている方は多いのではないでしょうか。
コレクティブハウスとは、多世代が1つの家で生活する暮らし方です。もともと北欧で導入されていたものであり、日本でも少しずつ広がりを見せています。
コレクティブハウスには、年齢や家族構成の制限がありません。さまざまざ世代が生活できるため、高齢者や女性の一人暮らし、シングルマザー・シングルファザーの子育ての悩みを解消しやすいです。
とはいえ、実際にコレクティブハウスがどのようなものなのかは、なかなかわかりにくいですよね。
そこで今回は、
・コレクティブハウスの定義や意味
・コーポラティブハウスやシェアハウスとの違い
・コレクティブハウスのメリットとデメリット
・コレクティブハウスの事例
・コレクティブハウスの課題
を順に解説します。
今回の記事を参考にしながら、コレクティブハウスで生活することも考えてみてはいかがでしょうか。
コレクティブハウスとは、多世代で一緒に生活する暮らし方
コレクティブハウスとは、さまざまな世代が同じ家で生活する新たな暮らし方です。一軒家、もしくは共有スペースのあるマンションに、多世代が入居します。
一緒に同居するのは、例えば以下のような人です。
・20代の単身者
・シングルマザー、シングルファザー
・高齢者
コレクティブの意味は「集合的な」「共同の」など。1つの家を複数世代で共有し、助け合いながら生活することが定義です。
コレクティブハウスはもともと、1970年代にスウェーデンやオランダなど北欧で誕生しました。いまは世界各国で広まり、日本にも普及し始めています。
続いては、コレクティブハウスと似ている暮らし方との違いを解説します。
コレクティブハウスとコーポラティブハウスの違い
コーポラティブハウスとは、賃貸マンションのような住宅を住人で共同所有する暮らし方のこと。
コーポラティブハウスは賃貸マンションのように、各個室で生活が完結します。加えて、住人が事業者として、マンションのルールや仕組みを整えていくことが特徴です。
コレクティブハウスとの違いは、主に以下の3つです。
・コレクティブハウスは賃貸として借りる
・コーポラティブハウスは住宅のルール作りから関わることができる
・デザインなど自分たちの好みに作り上げられる
ポイントは「住む期間の長さ」。
コーポラティブハウスは住宅を作り上げるため、長期的に住むことが前提です。
対して、コレクティブハウスはあくまで一時的な住まいです。賃貸として借りるため、転勤や結婚などタイミングによって、気軽に引っ越すことができます。
引越しの可能性がある人はコレクティブハウス、長期的に住む家を探している人はコーポラティブハウスがおすすめでしょう。
コレクティブハウスとシェアハウスの違い
シェアハウスとは、複数人で同じ家に住む暮らし方のこと。キッチンやお風呂、トイレなどのスペースは共有ですが、個室もしくはドミトリーなど寝室は各自確保できます。
コレクティブハウスにおけるシェアハウスとの違いは、主に以下の3つです。
・キッチンやお風呂なども個室にそなわっている
・年齢や家族構成に制限がない
・食事を共同で作ることがある
ポイントは「無理にスペースを共有するわけではないこと」。
シェアハウスはお風呂など一部スペースを複数人で使用しますが、コレクティブハウスは個室にすべて用意されています。プライバシー空間を確保しやすいです。
またシェアハウスは「35歳まで」「単身者のみ」など限られていますが、コレクティブハウスは年齢や家族構成に制限がありません。
コレクティブハウスの方が、より多くの人がプライベートを確保しながら生活できるといえるでしょう。
続いては、コレクティブハウスのメリットやデメリットを具体的に解説します。
コレクティブハウスのメリット
コレクティブハウスのメリットは、主に以下の5つです。
・助け合いながら生活できる
・一人暮らしのような寂しさや不便を感じにくい
・さまざまな価値観にふれることができ、視野が広がる
・設備が充実した家に住める
・急な病気やケガにも対応できる
ポイントは「多世代が一緒に暮らすことで助け合えること」。
特にシングルマザーやシングルファザーは高齢者に子どもを預けられる、高齢者はケガをしたときに住人を頼れるなど、一人暮らしより安心できる場面が多いです。
コレクティブハウスのデメリット
コレクティブハウスには、以下のようなデメリットもあります。
・家事など役割分担が増える
・価値観がバラバラのため、意見が衝突することもある
・日本ではまだまだ物件の数が少ない
コレクティブハウスは多世代が一緒に暮らすとお伝えしました。年齢の異なる人が集まると、家事のやり方や生活習慣など、バラバラになりやすいです。
家事の役割分担をしっかり決めておく、守らなかったときのルールを定めておくなど、工夫が欠かせません。
またコレクティブハウスは東京など首都圏に集中しているため、地方ではなかなか見つからないことも。首都圏ならではの暮らしといえるでしょう。
コレクティブハウスのメリットとデメリットについて、詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
コレクティブハウス一覧
次は、実際にどのようなコレクティブハウスがあるのか、見てみましょう。
現在日本には、以下のようなコレクティブハウスがあります。
【関東】
・かんかん森(https://www.collectivehouse.co.jp/kankanmori/life.html)
・コレクティブハウス本町田(https://chc.or.jp/chcproject/honmachida.html)
・コレクティブハウス横浜(https://chc.or.jp/chcproject/yokohama.html)
【関西】
・出雲路コレクティブハウス(https://www.hachise.jp/project/izumoji/index.html)
・コーポイチハラ(https://www.hachise.jp/share/ldk/rent/index.html)
まだまだ首都圏に限られますが、数は確実に増えています。
今後さらに増加する可能性もあるため、コレクティブハウスなどを展開する企業のホームページはこまめにチェックしてみてください。
コレクティブハウスの事例・間取り
コレクティブハウスをより身近に感じるために、事例を紹介します。
東京にある「かんかん森」。2003年に日本で初めて作られたコレクティブハウスで、高齢者施設と認証保育園もかねそなえています。
もともとかんかん森は2000年から数年かけて設立を準備し、居住者のコーディネートやルール作りなど基盤を作ってきました。
有志が集まって株式会社コレクティブハウスも設立され、現在複数の物件を展開しています。
日本にはその他にも、いくつかのコレクティブハウスがあります。
事例について、詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
コレクティブハウスの課題
ここまでコレクティブハウスの魅力やメリットをお伝えしましたが、実際の物件運営にはまだまだ課題もあります。
例えば、以下のようなものです。
・入居者の高齢化によって単身者や若い世代の負担が増える
・メンバー同士の交流が盛り上がらない
・運営ルールや清掃など責任を持って運営する人が必要になる
主な課題は「入居者の高齢化」。日本の少子高齢化や年齢を制限していないことから、高齢者の割合は大きくなりやすいです。
面倒を見る義務はありませんが、高齢者が増えると単身者などの負担が大きくなりやすいです。
解決策として、以下を考えているコレクティブハウスもあります。
・入居者の世代バランスを整える
・若者に中心に集客する
例えば、「20代の入居者は家賃を3ヶ月無料にする」などです。入居したくなるきっかけを作ることで、若い世代の入居が増える可能性は十分あります。
まだまだ課題もありますが、多世代が共生する暮らし方として、今後ますます注目されていくでしょう。
まとめ コレクティブハウスとは多世代が共同で生活する暮らし方
今回は、コレクティブハウスの定義やメリットについて解説しました。
ここまでをまとめると、コレクティブハウスとは多世代が同じ家で生活する暮らし方。個室に住まいを持ちながら、家の中にある共同スペースで他の世帯と交流することが可能です。
コレクティブハウスのメリットは、主に以下の5つ。
・助け合いながら生活できる
・一人暮らしのような寂しさや不便を感じにくい
・さまざまな価値観にふれることができ、視野が広がる
・設備が充実した家に住める
・急な病気やケガにも対応できる
まだまだ課題もありますが、今後日本でも増えていく暮らし方といわれています。
今回の記事を参考にしながら、コレクティブハウスへの入居も考えてみてください。
またコレクティブハウスと似ているシェアハウスにも、メリットやデメリットがあります。
詳しくは、以下の記事を参考にしてみてください。