「高齢化社会にもシェアサービスって役立つのかな……」
と考えていらしゃいませんか?
シェアサービスは、少子高齢化の課題である孤独死、介護現場の人材不足などを減少できる可能性があります。また地方自治体がシェアサービスを地域の課題解決に取り入れることで、住みやすい街づくりが実現することも多いです。
シェアサービスはまだまだ新しいものですが、高齢化社会を大きく支えるツールとなります。
とはいえ、具体的にどのようなシェアサービスが役立つのかは、なかなかわかりにくいですよね。
そこで今回は、
・シェアリングエコノミーとは
・高齢化社会にシェアサービスが必要な理由
・高齢化社会でシェアサービスを活用した事例
を順に解説します。
今回の記事を参考に、高齢化社会とシェアサービスの関係を見ていきましょう。
シェアリングエコノミーとは、個人のスキル物を貸し出すこと
シェアリングエコノミーとは、個人で持っているスキルや所有物、場所、経験などを貸し出すことです。アメリカのシリコンバレーを中心に広まり、プラットフォームとしてさまざまなサービスが誕生しました。
例えば、以下のようなものです。
・Airbnb:空き部屋や空き家を旅行者に貸し出すサービス
・Uber:ドライバー登録している一般の車に乗せてもらうサービス
・air Closet:洋服を月額制で貸し借りできるサービス
・coconala:個人がスキルを販売するCtoCのサイト
・ジモティー:無料で不要な物を交換できるCtoCのサービス
例えば、Airbnbで空き部屋を外国人の旅行者に貸し出したとしましょう。貸主のあなたは宿泊料を収入源として手に入れることができ、利用者は安く宿泊することができます。
双方にメリットがあることから、少しずつ利用者が増えています。
【出典】総務省「シェアリング・エコノミーとは」
シェアリングエコノミーの利用者は若い世代が中心ですが、高齢化社会にも役立つサービスです。
特に日本は少子高齢化が進んでいるため、高齢化社会の課題を解決する手段となる可能性があります。
次で詳しく解説しますね。
高齢化社会にシェアが必要な理由
高齢化社会にシェアリングエコノミーが必要な理由は、主に以下の3つです。
・未婚率が上昇し、必要なものをその都度シェアする方が負担が少ないため
・経済的に物を所有するハードルが高まっているため
・「豊かさ」が良いといわれている時代は終了に近づいているため
少子高齢化とあわせて、男女の未婚率も上昇しています。1つの家庭で多くの物を所有するよりも、必要なタイミングでシェアする方が金銭的・物理的な負担が発生しません。
また不況の影響によって、たくさんの物を所有したり高級品を持ったり、「豊か」といわれる時代は終わりに近づいています。
時代や個人のニーズに沿ったサービスとして、シェアリングエコノミーが求められているのです。
さらにシェアリングエコノミーが進むことで、地方の課題を解決し、持続可能(サスティナブル)な地域を作ることも可能です。
高齢化社会とシェアリングエコノミーの関係
先ほどシェアリングエコノミーは高齢化社会に必要なサービスだとお伝えしました。
具体的に、どのような分野で関わりがあるのでしょうか?
例えば、以下のような分野です。
・福祉:他人との交流増加によって介護現場の人材不足や孤独死の減少
・日常生活:ライドシェアによって移動手段の選択肢を拡充
少子高齢化における「介護現場の人材不足」「孤独死」などの課題を解決することが予想されます。
とはいえ、シェアリングエコノミーがどのような場面で役立つのかは、なかなかイメージしにくいですよね。
そこで次は、高齢化社会でシェアリングエコノミーを活用した事例を3つ紹介します。
事例1:高齢者が起業によってスキルシェアをする「シェアワーキング」
1つ目は「高齢者が起業し、自身のサービスを通してスキルをシェアするもの」です。
近年はシニア世代の就労者が増え、これまでのスキルや経験を生かして働く姿がよく見られました。しかし労働者性の高い仕事に限定され、すべてのシニアが定年後も働けているわけではありませんでした。
そこでプラットフォームを通して自身のスキルや資産を個人、もしくは企業に対して販売し、収入を得る働き方「シェアワーキング」を実践。企業に属するよりは、自身のサービスを売り込むイメージに近いです。
中でも年金を受給しているシニアは、基本的な生活費をおさえながら起業への挑戦が可能になります。
生活に対する不安を取り除き、個人の希望する労働時間にもあわせながら働くことができます。
【出典】全世代型社会保障検討会議「シェアリングがポスト高齢社会の解になる。」
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/zensedaigata_shakaihoshou/dai2/siryou6.pdf
事例2:シェアリングエコノミー型の介護支援サービス「クラウドケア」
2つ目は「介護現場で活用されるクラウドケア」です。
クラウドケア(https://www.crowdcare.jp/)とは、訪問介護や家事、生活などを支援するサービスのこと。
例えば、病院の付き添いや夜間の見守り、買い物の代行など、介護保険外で高齢者をサポートするスタッフを派遣します。
介護業界は人材不足が課題となっていますが、なかなかすぐに解消できるものではありません。
そこでヘルパーが担当できる範囲内でサポートできる人材を派遣し、高齢者のケガや孤独死を防ぐシステムです。
事例3:地方自治体が地域の課題解決に活用する「シェアリングシティ」
3つ目は「地方自治体が住みやすい街を作るシェアリングシティ」です。
シェアリングシティとは、複数の地方自治体が協力し、少子高齢化や人口減少など地域の課題を解決しようとするもの。シェアによる課題解決に加えて、経済効果を生み出すこともねらいます。
実際に、以下5つの地方自治体がシェアリングシティを宣言しました。
・秋田県湯沢市
・千葉県千葉市
・静岡県浜松市
・佐賀県多久市
・長崎県島原市
例えば、保育園の送り迎えなどをお願いしたい保護者と地域の人をつなぐ「AsMama」。このようなシェアサービスを活用しながら、地域住民が住みやすい街を作ります。
【出典】HITACHI「日本でも拡大中の「シェアリングシティ」は地域振興の切り札となるか」
https://www.hitachi-solutions.co.jp/column/tashinami3/sharing_economy/index05.html
シェアハウスも暮らしやすい高齢化社会の実現に近づくサービス
ここまで複数の事例を紹介しましたが、実はシェアハウスも高齢化社会の課題解決に役立つ可能性があります。
例えば、ひだまりが所有する鎌倉のシェアハウス「辻堂」。
多世代共生ハウスという名前の通り、高齢者も受け入れる物件となります。もともと介護施設だった建物を活用するため、手すりのついたトイレなど、利用者のことを考えた構造です。
若い世代と高齢者が交流することで、元気をもえらえることもあるかもしれません。
シェアハウスも高齢化社会に役立つサービスとして、興味を持ってもらえれば幸いです。
まとめ シェアサービスは高齢化社会において、日本や地域の課題を解決する
今回は、高齢化社会におけるシェアの役割やメリットについて解説しました。
ここまでをまとめると、高齢化社会では以下の理由からシェアサービスが求められています。
・未婚率が上昇し、必要なものをその都度シェアする方が負担が少ないため
・経済的に物を所有するハードルが高まっているため
・「豊かさ」が良いといわれている時代が終了に近づいているため
また実際にシェアサービスを活用している事例として、以下の3つを紹介しました。
・シェアワーキング
・クラウドケア
・シェアリングシティ
さらにシェアハウスも多世代共生型の物件などを選ぶと、高齢化社会における孤独死などのリスクを下げることが可能です。
今回の記事を参考にしながら、自身の生活や地域に取り入れられそうなシェアサービスを調べてみてはいかがでしょうか。
またシェアハウスは独身女性など、生活スタイルによっておすすめの暮らし方となることがあります。
詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。