「コレクティブハウスに住んだらどんなメリット・デメリットがあるんだろう……」
と感じている方は多いのではないでしょうか
コレクティブハウスとは、単身者やシングルマザー、シニアなど多世代が一緒に生活する暮らし方のこと。スウェーデンやデンマークなど、北欧で生まれた生活方法です。
ひとつの家を複数の世代と共有して使用するため、「世代ごとの悩みを共有できる」「設備が充実している」などのメリットがあります。
その一方で「家事など役割分担が発生する」「人間関係のストレスが生まれることもある」などのデメリットを感じることも。
入居前にメリットとデメリットを知っておくことで、自分にあったコレクティブハウスを見つけやすくなります。
そこで今回は、
・コレクティブハウスのメリット
・コレクティブハウスのデメリット
・コレクティブハウスとコーポラティブハウスの違い
について解説します。
コレクティブハウスのメリットとデメリットを知ったうえで、入居を考えていきましょう!
コレクティブハウスのメリット1:各世代の悩みを解消できる
1つ目は「世代ごとの悩みを解消できること」です。
例えばコレクティブハウスに住む世代は、以下のような悩みを抱えていることが多いです。
【一人暮らしの女性】
・防犯やセキュリティ面に不安を感じる
・初めての一人暮らしで家事をスムーズにこなせない
【シングルマザー・シングルファザー】
・子育ての悩みを誰にも相談できない
・仕事と家事の両立が難しい
【高齢者】
・食事や会話など寂しさを感じる
・体調不良のときに頼る人がいない
・孤独死の危険性がある
共通点は「悩みを相談したり頼ったりする人がいないこと」「孤独を感じやすいこと」。
コレクティブハウスは多世代が同じ家で生活するため、孤独や寂しさはあまり感じません。困ったときはお互い助け合うことができるため、上記のような暮らし方で抱える悩みを感じにくくなります。
コレクティブハウスの増加によって、社会問題を解決できる可能性もあるでしょう。
コレクティブハウスのメリット2:設備が充実している
2つ目は「設備が充実していること」です。
物件にもよりますが、コレクティブハウスには以下のような設備が用意されています。
・図書室
・自習室
・コワーキングスペース
・ロフト
・ガーデニングスペース
上記のような入居者が使用できるスペースのことを「コモンスペース」と呼びます。
コモンスペースは住人であれば、利用に制限はありません。子どもから大人まで使用でき、他の入居者との交流の場でもあります。
一人暮らしや賃貸マンションでの生活と同じくらいの生活費で、充実した設備を利用できます。
コレクティブハウスのメリット3:さまざまな世代と知り合える
3つ目は「さまざまな世代と知り合えること」です。
コレクティブハウスとは、子どもから高齢者まで、多世代が一緒に生活する暮らし方とお伝えしました。シェアハウスやソーシャルアパートメントよりもさらに幅広い世代が同居人となるため、普段出会わない人と交流するきっかけが生まれます。
異なる世代と交流することで、新しい価値観にふれることも少なくありません。
子どもや若者は価値観や視野が広がるきっかけとなり、将来に良い影響を与えることも多いです。
コレクティブハウスのデメリット1:家事など役割分担が必要になる
ここまでコレクティブハウスのメリットを紹介しましたが、デメリットもいくつかあります。
1つ目は「家事など役割分担が必要になること」。
コレクティブハウスは複数世帯と同じ家に住むうえに、リビングなど共有で使用するスペースがいくつか存在します。共有スペースの掃除や片付けは住人同士で交代制のため、役割分担が求められるのです。
一人暮らしや家族のみとの生活でも役割分担は必要ですが、あくまで自分の家事だけ。コレクティブハウスでは他人のゴミを片付けたり、掃除をしたりする必要があるため、手間に感じることもあります。
ただし人数が多いコレクティブハウスでは、それほどすぐに順番はまわってきません。
月に1回、もしくは数ヶ月に1回と少ないこともあるため、小規模の物件ではデメリットに感じないでしょう。
コレクティブハウスのデメリット2:人間関係のトラブルが起きることもある
2つ目は「人間関係のトラブルが起きる可能性があること」です。
コレクティブハウスは多世代や初対面の人と一緒に暮らすとお伝えしました。価値観の異なる人と生活するため、どうしてもケンカや揉めごとが起きることもあります。
例えば、以下のようなことです。
・家事分担
・掃除の頻度、仕上がり
・共有スペースの使い方
一人暮らしなどよりは、ストレスを感じやすいでしょう。
ただし、他の住人や運営会社の人に相談することは可能です。悩みやストレスが発生したら、その場合はすぐに他の人に相談することを心がけましょう。
コレクティブハウスのデメリット3:日本ではまだまだ数が少ない
3つ目は「日本では物件の数がまだまだ少ないこと」です。
コレクティブハウスは北欧で生まれた暮らし方であり、日本ではそれほど浸透していません。そのため物件の数はとても少なく、既存ハウスも東京など首都圏に集中しています。
「コレクティブハウスに住みたい!」と感じても、物件探しに時間がかかる可能性が高いです。
コレクティブハウスを探すときは、以下のことを心がけましょう。
・「東京」「大阪」など首都圏への引っ越しも考える
・「〇〇(地名) コレクティブハウス」で検索する
最初から希望の地名を入れて検索すると、住みたいエリアのコレクティブハウスが見つかりやすくなります。
コレクティブハウスとコーポラティブハウスとの違い
ここまでコレクティブハウスについて紹介しましたが、「コーポラティブハウス」という名前を聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。
コーポラティブハウスとは、入居者を考えている人が集まって組合を作り、その組合内で建物を運営する暮らし方のこと。
土地にある建物を入居者で区分所有します。そのため、入居者個人が事業主となり、コーポラティブハウス内で企画などを考えます。
2018年のドラマ『隣の家族は青く見える』でも、主人公夫婦の住居がコーポラティブハウスでした。
コレクティブハウスとコーポラティブハウスの共通点は、以下の通り。
・住人が使用できる共有スペースがある
・入居者同士、顔が見えるので安心できる
・入居者がルールなどを考えて、ハウスを運営する
違いは、以下のような点です。
・コレクティブハウスは同じ建物の中に部屋を持つ
・コーポラティブハウスは部屋がわかれている
つまり、コレクティブハウスは同じ物件の中にシャワーやトイレ、キッチン付きの部屋を持ち、コーポラティブハウスはそれぞれ物件を持ったうえで外の共有スペースを使用するイメージです。
コレクティブハウスの方が、入居者とより近い距離で生活します。
コレクティブハウスとシェアハウスの違い
ではコレクティブハウスは、シェアハウスとはどのような違いがあるのでしょうか。
シェアハウスとは、同じ物件に個室を持ち、シャワーやトイレ、キッチンを共有する暮らし方のこと。
コレクティブハウスにおけるシェアハウスとの違いは、主に以下の3つです。
・個室にシャワーやトイレなど設備がある
・コレクティブハウスの方が入居者の年齢層が幅広い
・コレクティブハウスは入居者が企画から関わる
コレクティブハウスの方が、シェアハウスよりはプライベート空間をしっかりと確保できます。
コレクティブハウスをおすすめする人
先ほどのコーポラティブハウスとの違いを理解したうえで、コレクティブハウスは以下の人におすすめです。
・初めて一人暮らしをする単身者
・シングルマザー、シングルファザーなど1人で子育てをしている人
・一人暮らしの高齢者
・プライベート空間を確保しながら共同生活を楽しみたい人
・シャワーやトイレなど順番待ちせずに使用したい人
コレクティブハウスはプライベートを確保しながら入居者との交流を楽しめるため、初めての共同生活におすすめです。
コレクティブハウスについてさらに具体的なイメージをつかむには、事例を知るのがもっともおすすめです。
詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
まとめ コレクティブハウスのメリットとデメリットを知ると安心して入居できる
今回は、コレクティブハウスのメリットとデメリットについて解説しました。
おさらいすると、コレクティブハウスには以下のようなメリットとデメリットがあります。
【メリット】
・各世代の悩みを解消できる
・設備が充実している
・さまざまな世代と知り合える
【デメリット】
・家事など役割分担が必要になる
・人間関係のトラブルが起きることもある
・日本ではまだまだ数が少ない
上記のメリットとデメリットをしっかり理解したうえで入居する方が、初めてのコレクティブハウスを楽しむことができます。
コレクティブハウスで20代の単身者や親子、高齢者など、幅広い世代と出会いましょう!
またコレクティブハウスは、母子家庭や父子家庭など子育て世代からの人気が高いです。コレクティブハウスの数が少ないぶん、シェアハウスを選ぶ人も少なくありません。
シェアハウスになりますが、母子家庭が共同生活を送るメリットについて、詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。