— 手間をかけるということは、相手の心に近づくということ。 —
大通りの繁華街を背にし、盛岡駅から北上川を渡ること徒歩10分。
しぇあハート村はあります、全国初ではないでしょうか?!盛岡市の運営しているシェアハウス。
この村全体を統轄している木津川さん。今回は朝から村の草刈りをするということで、参加させてもらいました。
しぇあハート村の住人、近隣の学生や住人の皆さん、盛岡市役所の職員の方、ボランティアの方20名程が集まり汗を流しました。
その後、みんなで昼食、団欒。おにぎりは格別にうまかったです.
また、今度演奏会に出演する「しぇあハート村楽団」という、しぇあハート村の運営者や住人の方の音楽隊の練習にも参加させていただきました。
しぇあハート村はどんな経緯でできたのですか?
しぇあハート村は、2012年4月から沿岸地方出身の盛岡に進学してくる学生へのシェアハウス形式の学生寮として始まりました。
もともとは復興支援学生寮という名前でしたが支援されている感じが強いということで、名前をいくつか候補を募り、学生達に選んでもらいしぇあハート村という名前がつきました。
物件の方はどうされたんですか?
行政がやっているので、この場所を建てたのではないだろうかということをよく言われるのですが、そんなことはなく、15年前、この地域一体を開発するために区画整理の一環として仮設住宅として建てられたのですが、開発がほぼ終わり、空き家となっていたところを、盛岡市が目をつけました。
大変なことはありましたか?
沿岸地方で震災を経験し、その中でも一生懸命勉強し、盛岡に進学して来た学生が安心して帰れる場所、ぐっすり眠れる環境を整えること、最初はこの段階が大変でした。たくさんの人のお力をお借りしました。
いいところはどんなところでしょう?
いろんな肩書きの方が、打算無しに交流することが出来るところ。
まさに、今日のような草刈りにたくさんのひとが集まっていただけるところですね。
運営するにあたって大事にしているところはありますか?
コンピュータが全盛の時代で、連絡事項もインターネットの時代ですが、ここでの意思疎通の取り方は、インターネットではなく、オフラインでやっています。掲示板であったり、学生達のとの連絡も回覧板を回しています。
前年度まではスマートフォンアプリの“LINE”で連絡を回していたんですが、確かに意思の伝達と言う点ではとても便利で、情報の方は頭には入るのですが、心の方にはなかなか入っていかなかった。
実際に回覧板を始めると、出かけて渡しにいき、また受け取りにいくという2回の交流が学生達と出来ます。
それを繰り返すことで、より深く心と心の交流が出来るようになりました。
これからしぇあハート村をどんな場所にしていきたいですか?
ご年配の方も障害も持った方も気軽に集えて、心が分かち合えるような場所にしていきたいですね。
学生向けのシェアハウスを中心に、現在ではNPOやデザイン会社等のシェアオフィス、近隣の方が自由に集うことが出来るオープンスペースもあり、次々と多様なコミュニティ作りをしているしぇあハート村。
どんなところなんだろうと最初は思っていましたが、木津川さんをはじめ民間、行政、市民がうまく溶け合って村をつくっている様に感動を覚えました。
各自治体のみなさん、ぜひしぇあハート村を一度訪れてみて欲しいです。