— 足りないのなら、補えばいい。 —
今回取材させてもらったのは山形市の中心部七日町にあります“ミサワクラス”です。
実は、なかなか見当たらなかったのですが…
看板には「三沢旅館」の文字が、そうですミサワクラスとは廃旅館をリノベーションした物件だったのです。
玄関から
階段を上ると
出迎えてくれたのはミサワクラスの改修がはじまった5年前から住んでいるという、大槌秀樹さんです。
…どこからどうみても芸術家が集まっていそうなシェアハウスですね。
そうですか(笑)
このミサワクラスってどういう風にして出来たんですか?
ミサワは、今から5年前に東北芸工大の建築学科の学生のひとりの卒業制作としてはじまったんです。
ここ七日町は街の中心部なのにひとが空洞化している、夜になるともう誰もいない。
そこをどうにかかえたくて、若者達が集う場をつくりたいという想いから実験的にスタートしました。
ミサワクラス自体が卒業制作作品なんです。
なぜ大槌さんは、立ち上げに参加することになったのですか?
入居するひとが建築の学生だけになるよりも作家がいたほうが面白いんじゃないか?ということでそこで当時院を卒業して作家活動をしていたぼくにはなしがきたというところですね。
最初は12部屋のうち学生半分、作家半分でした。
ここからは内観の写真なのですが、ギャラリーのような感じです。
リビングに
キッチン
冷蔵庫や食器。
シャワールーム。
風情のあるバルコニーもありました。
よかったら、大槌さんのお部屋も見せてもらっても良いですか?
どうぞどうぞ。
自分の部屋の前が、自然とギャラリーになっていろんな人が見てくれる場所になっているなんてとてもエキサイティングですね。
映像・写真・パフォーマンスを通して作品をつくっています。
>>大槌さんのHP
それと「三角コーナー」という住居者の個展スペースがあるんです。オープンとしてやっているわけではなく、Ustereamや写真でweb上にあげたり、webギャラリーとして使う場所として機能しています。
苦労したことはなどはありましたか?
みんな今より住人も若いしエネルギーがすごかったので、DJして騒いだりして楽しかったんですけど、そこから疲れが出て来たりとか、街とのコミュニケーションに苦労しましたね。最初ならではだと思います。
すごくおもしろいときと、すごく苦労することが同じくらいあった。
管理人も、実質的な運営者も居ない中でつづいているミサワクラス、、、すごい。
ミサワクラスに住んでいていいところってどんなところですか?
不思議なことに入居してくるひとが、なぜか家族のように仲良くなるんですよね、全員がコミュニケーションうまいというわけではないのに。
大事にしているところはどんなところですか?
ルールを特に決めないところですね。得意不得意がそれぞれあるので、ゴミ出しや洗い物などできないところを責めるというよりは、補う。得意分野が誰かしらあるはずなので。
ミサワクラスに入るひとは、寛容でゆるいひとが多いってことですね。
ミサワクラスが今後どんな場所になっていけばいいと思いますか?!
若者がおもいろいことしてるらしいって、ひとが集まる場所になっていけばいいですね。
ミサワから卒業した人たちが、実家のように帰って来てくれるところがいい。
最近は、また作家も増えて来たので、ちっちゃいプロジェクトを進めていけたら良いなーとおもっているところです。
今回は初めて運営者が居ないシェアハウスというところで、とても興味深く新鮮な取材でした。
大槌さんをはじめ美術家・芸術家のひとはやはり独特な雰囲気が流れていて、とても感性が近いひとが集まってくるのだなとおもいました。
また、管理人が居ないというところで、それぞれの人間性がある程度求められるところにあると思います。
やはり芸術家と呼ばれる人たちはおもしろいなあ。
とても理想的で心くすぐられるシェアハウスでした。