神戸市の繁華街の中にアメリカ人が運営を行うシェアハウス「z-rooms」があります。シェアハウスz-roomsは元町駅から徒歩1分ほどのところにあります。ここのz-roomsはビルで1Fが英語教室とバーをしており、2Fから上でシェアハウスの運営をしています。そして、その運営を行っているのが、アメリカ人のポールです。
ー まず、シェアハウスって言葉って海外にはないんですか?
はい。私はアメリカのロードアイランドという小さな州が出身です。
アメリカではルームメイトと言って人と共同生活を行います。なので、シェアハウスという言葉は今まで聞いたことはありませんでした。
ー なぜ日本に来ようと思ったのですか?
日本には勉強するために来ました。MBAの勉強です。
ー 日本でビジネスするのと、アメリカでビジネスするの違いってありますか?
まず、一番でかいことは日本でビジネスするなら日本語がわからないといけないということです。アメリカだと個人でもビジネスができますが、日本では誰かに頼らないとビジネスができません。また、アメリカは世界で4番目にビジネスが簡単にできる国ですが、日本は世界で120番目にビジネスをするのが難しい国です。
ー それなのになぜ日本でしようと思ったのですか?
将来的にはアジアに進出しようと考えています。そのため、難しい日本でやることによって、その回りのアジアの国にも進出しやすくなると思っているからです。そして、日本以外の国でも今やっているような、1Fは昼間に英語教室をやって、夜バーで、2F上は居住というようなスタイルでやっていきたいと思っています。
ー それはなんでなんですか?
なぜなら、人は新しいことを学ぶのに興味を持っているからです。そして、すべての人が自分の将来のために何かをやっていることに対して情熱的であるべきと思っているからです。
ー 1Fで英語教室とバーを運営していて、2Fでシェアハウスをすることのいいところってどこですか?
英語教室をすることによって、コミュニティーの核なる部分を作ることができます。インターン生の一時的な先生をここに呼び込むことで、学生達とその一時的な先生が 触れ合って英語を使ってしゃべろうとします。それによって、コミュニケーションがどんだけ大切かとか、先生達も色々なところから来ているから色々な場所へのコネクションもできます。そして、そうすることによって英語自体がサブジェクトで無くなってきます。
ー なぜ英語教室とバーとシェアハウスを行おうと思ったのですか?
それは僕がロジカルに考えたときの答えがこれだったからです。上に部屋があることによって、英語の教室を安く提供することができます。従来の日本の英語教室というのは高いというイメージがあります。そのため、値段が高いと経済的に豊かな人でないと習うことができません。ただ、英語というのはそんな風に使われるべきでないと思っています。
そして、こういった課題を目の前にしたときにどうしたら解決できるかと考えたときに、上でシェアハウスを行い収益を取ることによって、下での英語教室を安く行うことができました。
ー コミュニティーを作ることって凄く難しいと思うんですが、それに当たって注意していることとかってありますか?
ルールを作らずに、自然とどんな風になっていくのかを観察をしていくようにしています。僕がルールを作るよりも、自然に出来たものがいいと思うからです。そして、住んでいる人達から何が必要なのかを聞くようにしています。
英語教室も同じで始めから多くのことを仕込まずに、英語教室に来た生徒さんに「英語を勉強するときに何が難しい」などの話を聞き、少しずつ色々なシステムを構築しています。だから、僕が作ったカリキュラムは他の人が作った外国人には適さないと思います。それは、日本人と一緒に作って来たからです。
ー z-roomsに来る人はどんな人が多いですか?
教育関係の人が多く来ます。また、ここに来る人たちは口コミで訪れてきます。
ー 様々な国の人が来ると思います。そうすると、文化も違うと思いますし、考え方も違うと思います。それに対してどこらへんが難しいと思いますか?
最初の緊張の緩和が凄く難しいと思います。特にグループで来ると凄く難しいです。そのグループから新しい人へ接点を持たせるのは簡単なことでありません。だから、僕は新しい人が来たらその人を別の人に紹介して出来るだけ話せるような環境を作るようにしています。でないと、ある一定のグループで角に偏って話してしまうからです。
ー シェアハウスを運営するときに注意していることって何かありますか?
僕は出来るだけ透明人間みたいな感じでいるようにしています。そして、必要なときだけいるようにしています。それは、プライバシーをちゃんと確立していると思ってほしいからです。
だから、恋人が来た際もできるだけ関わらないようにしてます。また、連れて来れるような場所でもあって欲しいと思っているからです。
ー 共同生活で大切なことってなんだと思いますか?
それはプライバシーをどう確保するかが凄く大切だと思います。みんなに「ここは自分の場所だ」と思ってもらえるような場所づくりが重要だと思います。海外だと部屋がもっとでかくて、お隣さんとかももっと離れています。しかし、この神戸だとそこまで広いスペースがありません。だから、そこに気を使う必要があります。そして、家の作り方もアメリカと違います。日本よりもアメリカの方がシェアハウスに適している家が多くあると思います。
ー MBAで学んだ一番大切なことってなんですか?
一番大きいと思ったことは、MBAの前に実務経験を積むことです。実務経験を積むことによって学校で学ぶような理論などがなんのことなのかがリアルでわかるからです。
そして、もう一つが広い視野を持つことが重要だと思います。一つの文化で一つのことを解決することが難しいからです。
ー これから挑戦したいことや、目指すものって何ですか?
今行っている英語教室や上のシェアハウスが一つの独立したものにしていきたいです。また、フランチャイズにしてアジアなどに展開していきたいと思っています。現状では、英語教室とバーとシェアハウスで相互に関わって成立していますが、それぞれが独立したものして行きたいと思っています。
アメリカ人がシェアハウスを運営しているのは凄く珍しく、とても勉強になりました。また、ここのz-roomsのバーやシェアハウスをリノベーションしている3人の住人の方々もいます。バーもシェアハウスのキッチンやトイレも凄く味があってかっこ良かったです!!!!!!!!今では、そのバーから始まり学校のリノベーションや、他のバーのリノベーションなども行っています。z-roomsにはそんな面白い日本人の住人の方もいるので、ぜひ遊びに行って欲しいです。