「シェアハウスの住人に強制退去を依頼できるのだろうか……」
と悩むオーナー様は多いのではないでしょうか?
シェアハウス運営では、強制退去を依頼することは可能です。ただし契約形態によるところもあり、慎重に進める必要があります。
ポイントは以下の3つ。
・定期借家契約を結んでいる
・強制退去になるほどの迷惑行為が発生している
・迷惑行為に関する証拠を提示できる
上記をおさえていれば、退去をお願いすることは可能です。
とはいえ、本当に退去勧告をしても大丈夫か、無視されるのではないかなど、不安もありますよね。
そこで今回は、
・シェアハウスでは強制退去してもらえるのか
・強制退去をお願いできる契約形態・ケース
・依頼する流れ
・退去勧告を無視されないための対策
・強制退去を発生させないためのポイント
について解説します。
また入居者として、自分が強制退去を受けた場合についても紹介します。
今回の記事を参考にしながら、スムーズなシェアハウス運営を学んでいきましょう!
シェアハウスの住人に強制退去をお願いできる?
まずシェアハウスの住人に “ 強制 “ 退去を依頼することは可能ですが、慎重に進めることが必要です。
その理由が以下の2つ。
・契約形態によっては強制的な退去が難しい
・証拠がないと「ムリに退去をお願いされた」と悪印象を与えてしまう
シェアハウスの契約形態は、マンションなど一般的な契約と同じではありません。
契約内容によっては「契約満了までムリな退去はできない」など、強制退去が難しいこともあるのです。
強制退去のポイントとなる契約形態について、次で解説しますね。
シェアハウス強制退去のポイントは「定期借家契約」
まずマンションやシェアハウスの契約形態において、以下のどちらかが多いです。
・普通借家契約:契約期間が満了されると、自動的に更新する
・定期借家契約:特定の契約期間が満了すると、それと同時に契約も終了となる
シェアハウスで採用しているのは「定期借家契約」。もともと入居期間が1年ほどと長くないため、特定の期間を決めて契約しています。
ただし定期借家契約は、問題がなければ再契約します。長く住んでいる人は、1年以上住んでいることも少なくありません。
この定期借家契約にしている場合、契約期間が終わることで退去を依頼することが可能。事前の通知を忘れなければ、強制退去をお願いできることもあるのです。
【出典】不動産賃貸経営博士のお悩み大家さん「シェアハウスの契約違反により強制退去!退去通知は配達証明で送った方が良いでしょうか?」
ただし事前通知を忘れると退去してもらうことは難しく、さらに入居者が通知に応じない、退去勧告を無視する可能性も。
その場合は、契約期間の満了を待って、再契約をしない方法が現実的でしょう。
また契約形態に加えて、「強制退去をお願いできるくらい問題が発生しているか」も重要です。次で詳しく解説しますね。
シェアハウスで強制退去をお願いできるケース
シェアハウスでは以下のような迷惑行為が起きている場合、住人に強制退去を依頼できます。
・ルールを守らない
・家賃の支払いなど金銭面にルーズさが見られる
・騒音など他の入居者からの苦情が発生している
・シェアメイト以外の人を勝手に入れている
・設備や家具家電を破損した
ポイントは「何度注意しても改善されないこと」。
1〜2回であれば、「ルールを知らなかった」「シェアハウス生活が初めてで感覚がわからなかった」など、故意とは限りません。
特にルールは最初に説明したにもかかわらず、「調理器具を放置する」など、他のシェアメイトに迷惑をかけることも。他の住人からの苦情につながります。
何度注意してもなおらないときは、強制退去を依頼することが可能です。
シェアハウスから住人に強制退去を依頼する流れ
実際に強制退去を依頼するときは、以下の流れで進めましょう。
・本人に注意する
・身元保証人などに連絡する
・契約満了の通知をする
・期限までに退去していることを確認する
重要なのが「契約満了の通知をすること」。
先ほどお伝えしたように、定期借家契約ではあらかじめ通知しないと、退去を依頼できません。
事前通知だけは忘れないようにしましょう。
シェアハウス生活では強制退去の前に注意をしてみよう
ここまで強制退去について解説しましたが、いきなり退去を依頼するのはおすすめできません。強制退去をお願いするまでに、本人に直接注意してみましょう。
例えば、
・夜中の電話の話し声が気になるので場所を変えてもらえませんか?
・ゴミ捨て当番を守っていないと連絡が来ました。次は罰則として連続で担当していただきます。
・リビングに置かれている私物を〇〇日までに移動させてもらえますか?
などです。
特に他の住人から苦情がきている場合は、そのことも伝えましょう。他の人に迷惑をかけていると知ると、おさまることも多いです。
シェアハウスからの強制退去に応じてもらうための解決法
注意してもシェアハウスでの迷惑行為がおさまらない場合、強制退去を依頼します。
そのときに退去勧告を無視されないためには、以下を意識してみてください。
・契約違反をしたときの写真や映像を提示する
・退去の期限を決めておく
・自主退去を促すようにする
まず、契約違反をしたときの証拠が必要です。時間はかかりますが、防犯カメラの映像などを集めておきましょう。
またここまで解説したように、あくまで「契約満了とともに退去してもらう」など、自主退去をうながすのがポイントです。
強制的に退去させられたとなると、悪印象となり、さらなるトラブルが発生する可能性があるためです。
退去の依頼をするときは、上記のことを意識してみてください。
シェアハウスで強制退去を発生させないポイント
ここまで強制退去について解説しましたが、そもそもトラブルを発生させないことも必要です。
強制退去を発生させないポイントは、以下の2つです。
・見学での印象や人当たりの良さを確認する
・入居の契約においてルールを説明しておく
見学のときにすべてを見抜くことは難しいですが、人当たりの良さなどである程度確認することは可能です。
また契約で、ルールの存在などをしっかり説明しておくのもおすすめ。トラブルになる人は細かいルールを嫌がることが多く、先に説明すると入居を考え直すことがあるためです。
良い人に長く住んでもらうためにも、入居審査は厳しく考えても良いかもしれません。
自分がシェアハウスから強制退去を依頼されたら?
ここまでオーナー目線で強制退去について解説しましたが、入居者として退去勧告を受けた人もいるのではないでしょうか。
自分が強制退去をお願いされたら、以下のことを確認しましょう。
・トラブルの原因が自分かどうか
・契約満了までどれくらいの期間があるか
強制退去を依頼されても、そもそもトラブルの原因が自分ではないこともあります。
オーナーが他の入居者からの情報だけで判断していることもあるため、しっかりと確認しておくのがおすすめです。
また先ほどお伝えしたように、契約期間が残っている中で強制退去はできないことがほとんど。自分の契約期間がどれくらいあるのか、あらためて確認しておきましょう。
それでも「自分に非がないのに退去勧告を受けた」という場合は、無視するのではなく、専門機関への相談がおすすめです。
オーナー様も、以下の相談機関を活用することが可能です。
詳しくは、以下の記事を参考にしてみてください。
まとめ シェアハウスの強制退去は契約形態と注意の仕方に気をつけよう
今回は、シェアハウスの強制退去について解説しました。
ここまでをまとめると、オーナーが入居者に退去勧告をすることは可能です。ただし契約形態が「定期借家契約」のときに限られ、慎重に進めることが必要です。
退去勧告を無視された場合には、以下の準備をしておきましょう。
・契約違反をしたときの写真や映像を提示する
・退去の期限を決めておく
・自主退去を促すようにする
あくまで契約期間の満了とともに、自主退去してもらうようにするのがポイント。そのためにも事前に注意するなど、ゆっくり進めていきましょう。
またオープン前から、シェアハウスのルールをしっかりと決めておくことも防止策としておすすめです。
詳しくは、以下の記事を参考にしてみてください。