友人とのルームシェアは、分からないことが多い住み方なのではないでしょうか。特に「契約書は誰の名前で結べばいいの?」というのは、多くの人が抱える悩みです。
ルームシェアの契約書は、主に以下のどちらかの方法で記入することが多いです。
・代表者のみが契約を結ぶ「代表者契約」
・入居する全員で結ぶ「連名契約」
ルームシェアのトラブルを避ける、スムーズに入居審査を進めるには「連名契約」がおすすめです。
とはいえ、どのような契約スタイルなのかは、なかなか分かりにくいですよね。
そこで今回は、
・ルームシェアにおける契約の結び方
・代表者契約と連名契約、それぞれのメリットとデメリット
・ルームシェアにおける保証人
・ルームシェアで契約書の他に必要な書類、手続きの流れ
・ルームシェアの物件探しや契約における注意点
を順に紹介します。
最後にルームシェアが難しいときの対処法としてシェアハウスも紹介しているので、あわせて参考にしてみてくださいね。
ルームシェアでの契約書の結び方や名義の例
友人とのルームシェアを契約するとき、「契約書には誰の名前を書こう……」という悩みをよく耳にします。
ルームシェアにおける契約書の結び方は、主に以下の2つから選びます。
・代表者契約:代表者のみが契約書を用意する一般的な方法
・連名契約:ルームメイト全員分の契約書を用意するルームシェアならではの方法
ルームシェアとなると、1つの部屋に住むのは2〜3人です。誰かが代表者になるべきか、全員で契約するべきか、悩みますよね。
そこで次は代表者契約と連名契約、それぞれのメリットとデメリットを解説します。
契約名義を代表者一人にするメリットとデメリット
契約書を代表者のみで結ぶ方法は一人暮らしと同じで、代表者のみが入居者として契約し、保証人を用意するものです。残りのルームメイトは、同居人として住む形になります。
代表者のみでの契約のメリットとデメリットは、以下の通り。
【メリット】
・契約者が退去しない限り、誰かが退去しても契約を結び直す必要がない
・用意する書類が少ないうえに、審査に時間がかかりにくい
【デメリット】
・退去において修理箇所があったとき、契約者と保証人のみに費用が請求される
・同居人は請求の対象とならないので、責任がないときは支払いを避けられる
代表者契約の場合、同居人となったルームメイトには「ここに住んでいます」という書類上の証拠がありません。家賃の未払いや壁の修理など、何らかの支払いが発生しても大家さんは同居人へは請求ができないことになります。
支払いが発生したとき、請求されるのは代表者に。このとき同居人に責任がない場合、ルームメイトは支払いを拒否することも可能です。
名義を連名契約にするメリットとデメリット
「連名契約」とは、入居するルームメイト全員の名前で契約書を作るものです。何人住んでも、メンバーそれぞれが代表者の1人として契約を結びます。
連名契約のメリットとデメリットは、以下の通り。
【メリット】
・何らかの請求が発生したとき、ルームメイト全員に請求できる
・誰か1人が費用を全額負担することがないので、支払い額が平等になる
【デメリット】
・1人でも退去すれば、契約書を作り変えなければいけない
・退去における敷金返還でトラブルになることがある
連名契約であれば、何らかの請求があったときに代表者のみの支払いにはなりません。契約を結んでいる全員に費用が請求されるので、代表者だけ支払うことを避けられます。
ただし全員の名前で契約書を作ると、誰かが退去したときに最初の契約書が偽りとなってしまいます。退去ごとに作り変えることになるので、ルームメイトが入れ替わる場合には面倒に感じることが多いです。
基本的に、ルームシェアでは連名契約がおすすめ。もしも代表者契約で自分が契約者になると、トラブルの責任をすべて負わなければいけない可能性もあるからです。
連名契約の方が高額な費用の支払いなどを避けられるので、安心してルームシェア生活を送れるはずです。
ルームシェアでは保証人も人数分だけ用意しよう
ルームシェアでは契約書だけでなく、保証人についても注意しましょう。
保証人とは入居者が家賃を払えない、トラブルが起きたときに契約者と一緒に責任を取る人のこと。保証人は、ルームメイトとなる全員分を用意するのがおすすめです。
保証人を用意しなければ、何かあったときに対応してくれる人がいません。このままだと、大家さんや不動産会社には「家賃を回収できないのでは?」「トラブルを放置して逃げられるのでは?」など不安が残ります。
安心して部屋を貸し出してもらうためにも、入居する全員の保護者や親戚から保証人を用意しましょう。
保証人は収入の有無がチェックされることも多いので、両親が定年退職している場合などは注意してください。その場合は働いている兄弟や姉妹、親戚などにお願いするのがおすすめです。
ルームシェアで契約書の他に必要な6つの書類と手続きの流れ
ルームシェアの入居では契約書の他にも、以下6つの書類を用意しましょう。
・入居申込書
・火災保険の契約書
・身分証明書(運転免許書や保険証)
・住民票
・収入所得の証明書
・連帯保証人の身分証明書や収入証明書
上記の書類を提出する目的は「自分は何者なのか」「家賃は支払えるのか」などを確認してもらうため。書類を多くそろえるほど、大家さんや不動産会社からの信頼も増すはずです。
基本的な手続きの流れは、以下の通りです。
(1)気になる物件を見学し、契約を申し込む
(2)上記の必要な書類を用意する
(3)入居審査の結果を待つ
(4)審査に通ったら、本契約を結ぶ
(5)初期費用をふり込む
上記の流れをもとに、物件探しから契約まで進めてみてください。
次は契約書の他に、ルームシェアで注意すべき点をいくつか紹介しますね。
ルームシェアでの注意点1:ルールについても書類にまとめておく
1つ目の注意点は「ルールについても書類にまとめておく」です。
不動産会社と入居者の間では契約書など、書類でしっかりとした契約を結びますよね。それだけでなく、入居者同士でも一緒に暮らすうえでの決まりやルールを残しておくと安心です。
例えば、
・家賃の負担割合
・家賃の入金方法
・家賃の支払日
・光熱費の負担割合
・契約期間(入居期間)
・滞納があったときの処置
・雑費(日用品)の負担割合
・ゴミや掃除の当番
などです。
上記のことは口約束もできますが、内容の証拠が残りません。「友人だから大丈夫」と思うかもしれませんが、友人だからこそあいまいな関係や住み方になって、トラブルが起きることも多いです。
友達との生活トラブルなどを避けるためにも、書類で残せることは残しておきましょう。
ルームシェアでの注意点2:ルームシェア不可の物件も多い
2つ目の注意点は「ルームシェア不可の物件も多い」です。
実はルームシェアは、多くの大家さんや不動産会社から避けられる暮らし方です。先ほどもお伝えしたように契約スタイルによっては、家賃の未払いなどトラブルが起きる可能性もあるからです。
ルームシェア不可の物件の定義は、以下の通り。
・兄弟や姉妹、親戚、夫婦での入居は可能
・友達や他人、同僚との入居は不可
友達同士やルームシェア掲示板で知り合った人、会社の同僚など血縁関係がない人との入居は、ほとんど受け入れられません。
ただし賃貸情報サイトなどには「ルームシェア不可」と書かれていることが少なく、問い合わせて初めて知ることもあります。
見学の予約をしてから知るのでは遅いので、あらかじめ「ルームシェア希望ですが大丈夫ですか?」など、問い合わせておきましょう。
ルームシェアしやすい物件の特徴を知っておこう
先ほどルームシェア不可の物件もあるとお伝えしましたが、反対にルームシェアしやすい物件もあります。それは「2人入居可」を掲げている物件です。
「2人入居可」は主に夫婦やカップル向けに貸し出されている物件ですが、ルームシェアも可能なことがあります。事情を話せば、友達同士の入居を受け入れてくれることも。
ただし2人入居可の物件の多くは、十分な個室がありません。夫婦やカップルの入居を想定しているので、個室がひとつしか用意されていないのです。
プライベート空間がなくても大丈夫な方は、「2人入居可」の物件も検討してみてください。
ルームシェアが難しいときは、シェアハウスもおすすめ
ここまでルームシェアにおける契約書や物件探しについて解説しましたが、それでも友達同士の入居は難しいことがあります。その場合「シェアハウス」を検討してみることもおすすめです。
シェアハウスは他人同士の初対面の人が、同じ一軒家などに住む暮らし方のこと。
初対面と聞くと不安も感じるかもしれません。しかし、運営会社のスタッフが内見などを通して人柄をチェックしているので、怪しい人が入居することはほとんどありません。
またそもそもシェアハウスの契約は1人ずつ結ぶことになるので、自然と連名契約になります。トラブルが起きにくいうえに、誰かの退去の度に再契約をする必要もありません。
シェアハウスの方が、入居の手続きや共同生活がスムーズです。
具体的なシェアハウス生活やおすすめ物件を知りたい人は、以下の記事を参考にしてみてください。
まとめ ルームシェアでは契約書や書類をきちんと用意してトラブルを回避しよう
今回は、ルームシェアにおける契約書の結び方を解説しました。
おさらいすると、ルームシェアでの契約書の結び方は主に以下の2つです。
・代表者契約:代表者一人で契約を結ぶ
・連名契約:入居するルームメイト全員の名前で契約する
おすすめの連名契約で申し込めば、入居審査などがスムーズに進みやすくなります。
ただしどちらもメリットとデメリットがあるので、ルームメイトとよく話し合って決めましょう。
それでもルームシェアとしての入居が難しいときは、シェアハウスへの入居も検討してみてくださいね。
シェアハウスの探し方について、詳しくは以下をご一読ください。