「ルームシェアでは誰が世帯主になればいいんだろう……」
と悩む人は多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、友達同士や初対面同士のルームシェアなど、どのようなパターンでもルームメイト全員が世帯主になっておく必要があります。ルームメイト全員が世帯主になっておくことで、「会社からの住宅手当が受けやすくなる」「同棲と間違われにくい」など、メリットは多いです。
引っ越したときは転入届や転出届など、たくさんの手続きがあって大変かもしれませんが、住民票の移動と世帯主の登録は忘れずに行っておきたいものです。
そこで今回は、
・そもそも世帯主とは
・ルームシェアでは誰を世帯主にするべきなのか
・ルームメイト全員を世帯主にするメリットとデメリット
・同棲、兄弟との共同生活、シェアハウスの場合の世帯主
について順に解説します。
「いきなり世帯主を決めるのは難しい」と感じるかもしれませんが、ポイントをおさえるだけならハードルは高くありません。
まずは世帯主とはどのようなものなのか、ざっくりと理解しましょう!
世帯主とは同じ家で暮らす人の代表者
世帯主には「同じ家で暮らすメンバーの代表者」という意味があります。
そもそも世帯とは「一緒に暮らしている状態や人」であり、条件として「生計をともにしていること」があります。そのため両親と子どものような、特定の人が稼いだお金で暮らしている複数人が世帯となります。
そして「世帯主」は、お父さんやお母さんなどその家で暮らす代表者1名のこと。住民票を移動させるまでに決めておき、住民票の移動とともにその代表者を登録することになります。
次は、ルームシェアでは誰が世帯主になるのかを解説しますね。
ルームシェアでは全員が世帯主になる!住民票の登録も可能
ルームシェアの場合、全員が世帯主になります。なぜなら友達とのルームシェアでは、生計を別々に立てているからです。
友達とはいえ家族ではないので、収入源や支出の管理はバラバラになりますよね。この場合「同じ家に暮らしている状態」という条件はクリアしていても、「生計をともにする」という条件は満たしていません。生計は各自で管理しているので、1人ずつ世帯主になる必要があります。
また家族以外の人と一緒に生活していると、「ルームシェアでは住民票を別々に登録できないのかな……」と考えている人もいるかもしれません。同じ住所に複数人が住んでいても、ルームメイト全員が個別に住民票を登録することは可能です。
そもそも世帯主は住民票をもとにして決められるので、世帯主を別々に登録するならば住民票の移動も欠かせないのです。
ルームシェアでも生活する家がある限り、住民票は個人で登録しておきましょう。
住人全員が世帯主になるメリットとデメリット
住人全員が世帯主になることには、以下のようなメリットとデメリットがあります。
【住人全員が世帯主になるメリット】
・会社の住宅手当が受けやすくなる
・同棲と間違われにくい
多くの人は自分が勤めている企業から、住宅手当を受けようと考えているかと思います。住宅手当は「世帯主」に対して支給されるので、個別に世帯主に登録しておいた方が住宅手当の審査は通りやすくなります。
また世帯主を個別に登録した方が、同棲や結婚している状態に間違われることがありません。同棲や結婚にある「男性が働いて女性が扶養に入っている」といった勘違いをしにくくなるからです。
対して、デメリットは以下の通りです。
【住人全員が世帯主になるデメリット】
・ルームメイトを扶養対象にはできない
・ルームメイト全員がそれぞれ手続きしておく必要がある
ルームメイト全員が世帯主になると、特定のルームメイトを代表者の扶養に入れることはできません。扶養の対象は「同居している人」であり、所得に制限があるからです。それぞれ仕事を持っていると、多くの人は所得の制限額を超えてしまうので、扶養を適用させることは難しいです。
そして扶養に入っていると「全員が世帯主になる」ということはあり得ません。
基本的に住宅手当が受けやすくなることが重要かと思いますので、ルームメイト全員を世帯主にする方がおすすめです。
ここまで、ルームメイト全員を世帯主に登録するメリットとデメリットをお伝えしました。
次は、世帯主を登録する具体的な方法を紹介しますね。
世帯主の登録方法:転入届を出して住民票を登録すれば完了
世帯主の登録は、新しく住むことになる市区町村の役所で「転入届」を出せば問題ありません。転入届を出したときに、あなたが世帯主と書かれている新しい住民票が発行されます。
そもそも引っ越すときは、以下の書類が必要になります。
(1)転出届(もともと住んでいた地域の役所に提出)
(2)転出証明書
(3)転入届(引っ越した地域の役所に提出)
まず引っ越しする旨を伝える「転出届」を出すことで、「転出証明書」が手に入ります。
引っ越し先の市役所(区役所)に転入届を出すとき、世帯主に自分の名前を登録すれば住民票の移動も完了します。
転入届はそもそも「転出証明書」がなければ提出できないので、引っ越し前にもらい忘れないようにご注意ください。
ここまでルームシェアの世帯主について解説しました。
ルームシェアでは世帯主以外に、「住宅手当」が気になる人も多いのではないでしょうか。次でルームシェアで住宅手当を受ける方法をお伝えしますね。
ルームシェアでも住宅手当の支給される?条件を確かめよう
ルームシェアで住宅手当が支給される条件は「物件契約者」なのか「世帯主」なのかで大きく変わります。
住宅手当を支給する条件として、よく見られるのは以下の2つ。
・住宅手当を希望する人(社員)が物件の契約者である
・もしくは世帯主となっている
企業によって異なりますが、世帯主でなければ住宅手当を支給されない場合、絶対に自分を世帯主として登録しておく必要があります。この場合、世帯主である証拠として住民票の提出が求められるので、住民票の移動もあわせて済ませておくことが欠かせません。
ただし企業によって、住宅手当を支給する条件は異なります。住宅手当を希望する人は、まず自分の会社に条件を確認してみてください。
ここまでルームシェアでも住宅手当を支給してもらうポイントをお伝えしました。
次は、ルームシェア以外の暮らし方における世帯主の登録について解説しますね。
ルームシェア以外の暮らし方(1)同棲の世帯主は別々
カップルで同棲する場合でも、基本的に世帯主は別々に登録します。同棲しているカップルは結婚前で、収入源はまだ別々であることが多いです。そのため、世帯主をどちらか片方に決めることはできません。
また生計を一緒にするかどうかは、カップルによってバラバラです。生計をそれぞれ自分で立てているならば、世帯主は別々に登録しましょう。
生活費を一緒にしているならば「世帯主を彼/彼女だけにする」という形でも問題ありません。この場合、1枚の住民票に「世帯主:夫/妻」と「同居人:未婚の妻/夫」というように、2人の名前が一緒に記載される形になります。
住民票を移動させるときに、生計を一緒にしているのか別々なのかを伝えると、役所の人も手続きを進めやすいです。
ルームシェア以外の暮らし方(2)兄弟は「生計」が別ならば世帯主も別
兄弟のルームシェアでも、生計が別々であれば世帯主も全員分登録します。
最初に、世帯主を考えるポイントは主に以下の2点だとお伝えしました。
・一緒に住んでいるか
・生計をともにしているか
上記のポイントから、兄弟でも生計が別々であれば、両方を世帯主として登録することになります。
ルームシェア以外の暮らし方(3)シェアハウスは全員が世帯主
シェアハウスの場合も、シェアメイト全員が世帯主として登録することになります。
シェアハウスは同じ家に住んでいるとはいえ、一緒に住むまでは赤の他人であることが多いです。そのため収入源や生計なども、別々に管理することになりますよね。結婚しているわけでも、扶養に入っているわけでもないので、シェアメイト全員が個別に世帯主として登録しておく必要があります。
またシェアハウスでも、住民票を移動させておくことが欠かせません。シェアハウスでも今まで住んでいた家から引っ越すことになるので、世帯主の登録のためにも住民票を移動させておきましょう。引っ越してから14日以内であれば、手続きすることが可能です。
加えてシェアハウスは、ルームシェアや同棲、兄弟との共同生活とは異なり、家賃や水道光熱費の支払い、家事の分担なども別々になることがほとんど。ルームシェアのような支払いに関するトラブルが起こりにくいので、面倒なトラブルや手続きを避けたい人にはおすすめです。
シェアハウスについて、詳しくは以下の記事をチェックしてみてください。
まとめ ルームシェアでは全員が世帯主となることで、住宅手当も支給されやすくなる
今回は、ルームシェアにおける世帯主について解説しました。
おさらいすると、ルームシェアでは「全員を世帯主として登録する」ことになります。なぜなら、世帯とは「同じ家に暮らし、生計をともにすること」という意味だから。
友だちとのルームシェアは、一緒には暮らしていても、収入源は別々であることが多いですよね。家計の管理は別々になるので、世帯主もそれぞれ登録する必要があるのです。
世帯主を別々に登録するメリットは、以下の2つです。
・会社の住宅手当が受けやすくなる
・同棲と間違われにくい
また友達とのルームシェア以外の暮らし方として、以下のケースもお伝えしました。
・カップルの同棲:生計を別にしていればどちらも世帯主となる
・兄弟のルームシェア:生計が別であれば全員が世帯主となる
・シェアハウス:他人同士の共同生活なので世帯主は個別に登録する
全員が世帯主として登録しておくことで、住宅手当といった会社の保障も利用しやすくなります。
またルームシェアでは、契約を全員が結ぶ「連名契約」にしておくこともおすすめです。連名契約にしておくと、誰かが退去するときに再契約の手続きがスムーズに進むからです。
詳しくは、以下の記事をご一読ください。