「同棲解消したいけれど、慰謝料って請求されるのかな……」
と悩んではいませんか？
まず同棲解消を切り出しただけで、慰謝料を請求されることはありません。相手に納得してもらう必要はありますが、お金を支払う義務はないです。
しかし「婚約していた」「あなたが浮気をした」など、場合によっては慰謝料を請求されます。このようなケースは相手に心身ともに苦痛を与える可能性があるからです。
特に婚約は結婚関係と同じように考えられるので、「同棲解消＝離婚」と同じように考えられることも。法的ルールが適応されるので、慰謝料も請求されやすいのです。
慰謝料を請求された場合、相場は50万〜100万円となります。
そこで今回は、
・同棲解消で慰謝料を請求されるケース、請求されないケース
・同棲解消で慰謝料を請求されるポイント
・慰謝料の相場
などを順に解説します。
今回は同棲解消を希望する人の目線から解説しますが、同棲解消を言い渡された人は相手の言動を当てはめて判断することも可能です。
「どう言っていたかな？」など、相手の行動や言動を思い出しながら参考にしてみてくださいね。
同棲解消で慰謝料は「基本的に請求されない」！
結論からお伝えすると、同棲解消を切り出しただけで慰謝料を請求されることはありません。同棲はカップルとはいえ他人同士の生活であり、ハッキリとした婚姻関係などは結ばれていないからです。
そもそも慰謝料とは「違法な行為により損害を受けた人に、原因を作った人が損害を埋め合わせるために支払うもの」。同棲解消は法に違反しているわけではないので、慰謝料を支払う義務はないのです。
しかし「婚約していた」など、慰謝料を請求されるケースがいくつかあります。同棲とはいえ婚約していた場合、結婚の意思がある「内縁関係」とみなされるからです。
また精神的な苦痛などによる慰謝料を請求されるだけではありません。例えば「これまでの生活費を返して」「引っ越し費用を出してほしい」などといわれることもあります。
この判断はとても難しいものです。そこで次は、同棲解消で慰謝料を請求されるケースと請求されないケースを紹介しますね。
同棲解消で慰謝料を請求されるケース
同棲解消で慰謝料を請求されるケースは、例えば以下です。
・婚約（内縁）していたのに、あなたから同棲解消と別れを切り出した
・理由もなく急に婚約解消を言い渡した
・あなたが浮気をしており、相手に証拠をつかまれている
・あなたが相手にDVなど心身の苦痛を与えていた
・事実婚など内縁関係にあり、子供がいる
・2人の間に金銭トラブルがある
同棲解消を言い渡したあなたに浮気など非がある、もしくはあなたが同棲解消を切り出したことによって相手に不利益が発生する場合は、慰謝料を請求されることがほとんど。
あなたが浮気をしているのに「別れたい」といわれたら、相手にとっては二重の苦痛が発生するからです。
特に「ラブホテルのレシート」など、他の異性と2人きりで会っていたり恋人のように過ごしていたりしたことが分かる証拠があると、あなたの立場は圧倒的に不利です。
「籍をいれていない婚約関係」でも、不貞行為は慰謝料を請求できる対象となります。あなたが不貞行為をしていたら、慰謝料の支払いは逃れられないでしょう。
金銭トラブルは例えば、以下のようなものです。
・自分の借金などを肩代わりしてもらっていた
・同棲するにあたって発生した初期費用を肩代わりしてもらっていた
・生活費をすべて相手負担にしていた
上記の場合、同棲解消を切り出された人はお金を負担しただけで、損することの方が多いですよね。そのうえで同棲も解消しなければいけないとなると相当なダメージなので、慰謝料は請求されると考えられます。
同棲解消で慰謝料を支払わなくて良いケース
慰謝料を請求されないケースは、例えば以下のようなものです。
・結婚の具体的な約束をしていなかった
・相手（同棲解消を切り出された人）が急に「婚約していたと思っていた」と言い出した
・明らかにお金目的で慰謝料を請求されている様子がある
まず結婚の具体的な約束をしていない、具体的な結婚時期の目安を決めていなかった場合、慰謝料は請求されません。同棲はあくまで「自由恋愛」の段階になるので、明確な約束がないと慰謝料を支払う義務はないのです。
まためずらしいケースですが、同棲解消を切り出した途端に相手の態度が変わり、やたらと慰謝料を請求してきたことも。この場合はお金目的である可能性が高いので、慰謝料を請求する理由などをしっかりと見きわめていきましょう。
慰謝料請求のポイント：同棲解消するときに婚約していたかどうか
ここまでをまとめると、慰謝料を請求されるポイントは「相手と婚姻関係を結んでいたかどうか」です。
先ほどもお伝えしたように、婚約段階とはいえお互いに結婚の意思があると、結婚相手と同じように考えられます。その段階で同棲解消をいいわたすと「離婚を切り出された」と同じレベルに考えられ、切り出された相手は相当なダメージを受けると予想されます。
離婚を切り出されたときは慰謝料を請求できることが多いので、婚約でも同じように慰謝料を請求することが可能なのです。
特に同棲解消を切り出した人が浮気をしていた場合、「不貞行為」と考えられるので慰謝料の請求は逃れられません。
次は婚姻関係にあったのかどうか、判断基準となるポイントを解説しますね。
同棲解消が「婚約破棄」とみなされるポイント3つ
婚約関係にあるときは、まだ結婚していないので正式な夫婦ではありません。
しかし以下の場合は婚姻関係にあったと考えられ、同棲解消が「婚約破棄」とみなされます。
・お互いに結婚の意思があり、そのために同棲していた
・お互いの親と顔合わせをするなど、周囲への報告を済ませている
・メールなど形に残る場で「結婚しよう」と約束していた
婚約指輪を交換している人も多いかと思いますが、指輪の交換だけでは婚約している証明にはなりません。それ以上に顔合わせを済ませている場合などは、お互いの両親が「婚約の証人」となる方がより確実な約束となります。
また顔合わせなどをしていなくても、以下の場合は「婚姻関係にあった」と考えられることが多いです。
・同棲解消を切り出された人が賃貸マンションの保証人になっていた
・同棲解消を切り出された人が生活費を肩代わりしていた
・同じ家計（収入源）で生活していた
上記の場合、ただの同居人ではなく長く一緒にいることを前提とした行動だと考えられます。どちらかに結婚の意思がなくても、内縁関係にあったと考えられるのです。
同棲解消で請求される慰謝料の相場は50万〜100万円
ここまで同棲解消による慰謝料について解説しました。もしも慰謝料を支払うことになった場合、相場はいくらなのでしょうか。
あくまで目安ですが、同棲解消による慰謝料の相場は50万〜100万円ほど。浮気などあなたに原因がある場合は、200万円ほどになります。
ちなみに慰謝料を請求するときは、「内容証明」が送られてくることが多いです。あなたに対して送られてきた場合は、速やかに支払いましょう。
慰謝料とあわせて手切れ金を渡すこともある
ここまで慰謝料について解説しましたが、それでも相手が納得してくれないときは「手切れ金」を渡す方法もあります。
手切れ金は任意で渡すものなので、金額の相場や下限はありません。法的に請求されるものでもないので、同棲解消を切り出す人の気持ちによって金額が変わるのです。
とはいえ、いくら支払えば良いのかは、なかなか分かりにくいですよね。
迷ったときは、引っ越しにかかる費用を目安にしましょう。多くの賃貸マンションでは、初期費用として40万〜60万円ほど必要です。この中には敷金・礼金や家具家電代が含まれているので、すべて支払わなければいけないわけではありません。
家具家電はすでに持っていることも多いので、それらを差し引いて15万〜30万円ほどが相場です。
いま同棲解消を悩んでいる人は、別れにつながる金銭トラブルを知っておくのもおすすめです。
詳しくは、以下の記事を参考にしてみてください。
まとめ 同棲解消による慰謝料の請求は「婚約」がポイント！
今回は、同棲解消を切り出したときに慰謝料を請求されるのかどうか解説しました。
おさらいすると、同棲解消では基本的に慰謝料を請求されません。ただし以下のような、慰謝料を支払わなければいけないケースもあります。
・婚約（内縁）していたのに、あなたから同棲解消と別れを切り出した
・理由もなく急に婚約解消を言い渡した
・あなたが浮気をしており、相手に証拠をつかまれている
・あなたが相手にDVなど心身の苦痛を与えていた
・事実婚など内縁関係にあり、子供がいる
・2人の間に金銭トラブルがある
大きなポイントは「婚約していたかどうか」。口約束でも顔合わせをしていれば婚姻関係が認められることもあるので、自分たちの状況をふりかえってみましょう。
慰謝料を支払う場合、相場は50万〜100万円です。あくまで目安ですが、それくらいの金額になることは覚悟しておいてください。
また慰謝料の支払いなどで引っ越し費用が用意できないとき、新たな入居先としてシェアハウスはおすすめです。シェアハウスなら初期費用は10万円ほどで入居できるので、賃貸マンションほど引っ越しにお金がかかりません。
シェアハウスについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。
