「アパートを退去するけれど、部屋が汚い…」
「部屋のクリーニング代を取られるかも」
と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
賃貸マンションを退去するとき、最低限の掃除は必要です。汚れたりキズが残ったりしていると、クリーニング代として2万〜4万円を請求されてしまいます。
入居した当時のレベルまできれいに掃除しておくだけでも、退去費用は安くおさえられます。
とはいえ、具体的にどのような場所をどのくらい掃除しておくべきか、なかなかわかりにくいですよね。
そこで今回は、
・賃貸マンションの退去時に掃除が必要な理由
・掃除しないと敷金が返ってこない
・掃除が必要な4つの場所とコツ
・退去前にチェックしておきたいポイント
を順に解説します。
まずは賃貸マンションを退去するときに掃除するべき理由やメリットから、ざっくりと理解していきましょう!
賃貸マンションの退去や引っ越しをするときは「原状回復の義務」がある
賃貸マンションを退去するとき、掃除は必要です。マンションやアパートの入居には、借主に対して「原状回復の義務」が課されているからです。
「原状回復の義務」とは、簡単に言うと「部屋を元のきれいな状態で返してください」ということ。退去までに、あなたが日常生活でつけた汚れや傷を回復しておく必要があります。
退去までにしっかり掃除しておくと、入居時に支払った「敷金」が一部もしくは全額返却されます。敷金は家賃数ヶ月分、およそ6万〜20万円なので返金されるのは嬉しいですよね。
賃貸マンションやアパートの引っ越しで掃除しないとどうなる?
賃貸マンションの部屋に汚れや傷が残ったまま退去すると、掃除が必要となります。クリーニング代は「敷金」から請求されるため、掃除が必要なほど汚れていると返金額が少なくなってしまいます。
どのマンションでも、退去後に清掃業者による「ハウスクリーニング」は実施されます。そのため新居のように、完璧にきれいにする必要はありません。
ただし常識の範囲を超えた汚れや傷があると、掃除の範囲が広くなるためクリーニング代も高くなります。クリーニング代が敷金と同額になった場合、返金されることはありません。
敷金はそもそも「借主が部屋を汚した、破損したときの修繕費用として預かるお金」もしくは「家賃が滞納されたときに使う保証金のようなもの」。
退去時にクリーニングが必要なければ、敷金は使用せずに返却されるのです。
ちなみにクリーニング代を請求されやすいのは、以下のような状態です。
・部屋のフローリングにシミが残っている
・キッチンの換気扇に油汚れがある
・柱や壁に借主の不注意による傷がついている
クリーニング代の目安は、ワンルームマンションで2万〜4万円。そのぶん返金額が少なくなるため、しっかりと掃除しておくことをおすすめします。
では敷金をしっかりと返還してもらうためには、どのようなところを掃除すればいいのでしょうか。そこで次は、退去前に掃除しておきたい4つの場所を紹介します。
賃貸マンションの退去で掃除するべき4つの場所とコツ
賃貸マンションの退去前、以下の場所は掃除しておきましょう。
・部屋
・お風呂
・キッチン
・ベランダ
1つずつ解説しますね。
賃貸マンションの退去で掃除すべき場所とコツ1:部屋
ワンルームマンションは、部屋全体をしっかりと掃除しましょう。
特に、
・床のシミ
・フローリングの色落ち
・壁のクギ穴やネジ穴
・柱や床の傷
・タバコのヤニによる変色
などです。
掃除の方法は、以下がおすすめ。
・床のシミ(水性):当て布をしながら、水で濡らした歯ブラシで汚れをたたく
・床のシミ(油性):台所用洗剤をつけて、水に濡らした歯ブラシでたたく
・フローリングの色落ち:復元ワックスで補修する
・壁の穴:シール材などで穴を埋める
・柱や床の傷:専用の「充填修復材」や床用の「クレヨン」を使って補修する
壁のシール材や柱の充填修復材は、東急ハンズなどで売られています。クリーニング代は主に「部屋の修復費用」であることが多いため、力を入れて掃除したい部分です。
賃貸マンションの退去で掃除すべき場所とコツ2:お風呂
お風呂は「水垢」や「カビ」が残りやすいので、以下のような方法で掃除しておきましょう。
・水垢の残り:クエン酸配合の洗剤をつけて歯ブラシでこする
・カビ:浴室用洗剤でカビの上についている皮脂汚れを落とし、カビ取り剤と水で洗い流す
注意点は、カビ取り剤を使用するときは十分換気すること。カビ取り剤は独特のにおいがあり、かぎ続けると気分が悪くなることもあります。
カビ取りのコツは洗面台やトイレ掃除でも活用できますので、試してみてください。
賃貸マンションの退去で掃除すべき場所とコツ3:キッチン
キッチンは、頑固で落ちにくい「油汚れ」が残りやすいです。コンロや換気扇、冷蔵庫下などしっかりと掃除しておきましょう。
早めの掃除として、以下の方法を試してみてください。
・コンロの油汚れ:セスキ炭酸ソーダや重曹をまいて拭き取る
・換気扇の油やスス汚れ:重曹を溶かした水でつけおき洗いをして、歯ブラシで磨く
・冷蔵庫下のサビ:食器用洗剤で磨く
キッチン掃除の便利グッズについて、詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
賃貸マンションの退去で掃除すべき場所とコツ4:ベランダ
ベランダは葉っぱや雨水、ホコリなど外からのゴミが溜まりやすい場所です。天候によって掃除できる日も限られるので、早めに掃除しましょう。
・網戸:新聞紙を引いて、掃除機で網戸のホコリを吸い取る
・ベランダの床:ほうきやちりとりでホコリを取り、水を流しながらデッキブラシで掃除する
ベランダの掃除について、詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
→ 「【賃貸マンションでの一人暮らし】ベランダ掃除に役立つ便利グッズ5つを紹介」
ここまで掃除しておきたい場所を紹介しましたが、実は掃除が必要ない場所もあります。次で紹介しますね。
賃貸マンションの退去で掃除しなくてもOKな部分
入居してから経年劣化で破損したもの、日常生活で傷がつきやすいところは、回復の義務が免除されています。
例えば、以下のようなもの。
・フローリングのワックスがけ
・家具を置いたことによる床のへこみ
・日光によるフローリングの色落ち
・壁にポスターなどを貼った跡
・エアコン設置による壁の傷
・エアコンの内部洗浄
・網戸の張り替え
・鍵の取り替え
・地震など自然災害による傷
上記は借主(入居者)に責任がないため、修繕する必要はありません。
また以下のケースは、掃除の義務が免除されます。
・契約書に「退去時の掃除は不要」と書かれている
・清掃業者が掃除することになっている
掃除が発生するケースや費用の目安は、契約書に記載されていることが多いです。あらかじめ確認し、日常生活で破損や汚れに気をつけておくだけでも掃除は楽になります。
賃貸マンションの退去時に敷金を返してもらおう!掃除のポイント3つ
掃除が完了したあと、退去前に以下の3つをチェックしておくと敷金が返ってきやすいです。
・目立つ汚れや傷が残っていない
・入居したいと思えるほどきれい
・余分な荷物が残っていない
意外と見落としがちですが、借主の余分な荷物が残っていると「処分費用」が発生することも。掃除をしたあとは断捨離して、必要ないものを処分しておきましょう。
そしてしっかり掃除しても、何らかの理由で敷金を返してもらえないトラブルが発生することもあります。クリーニング代の内訳や請求内容は、しっかりと確認しておきましょう。
敷金が極端に少ない場合や返金してもらえない場合は、不動産関係の窓口や法律相談事務所に相談することも検討してみてください。
シェアハウスは退去の掃除がほとんど必要ない!
ここまで賃貸マンションの掃除について解説しましたが、シェアハウスは退去時にこれほど完ぺきな掃除を求められません。
その理由は、以下の3つ。
・シェアハウスで退去時に掃除すべき場所は個室だけだから
・共有スペースは普段から清掃業者が掃除しているから
・共有スペースは複数人で使う場所だから
一人暮らしはすべての傷や汚れに自分の責任が発生します。対してシェアハウスは複数人で同じ場所を使うため、誰が傷や汚れをつけたのかハッキリとは分かりません。
退去前の掃除は、賃貸マンションと比べるとシェアハウスの方が手間は少ないです。
シェアハウスの掃除について、詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
まとめ 賃貸マンションの退去前に掃除を完了させておこう
今回は、賃貸マンションの退去時に必要な掃除についてお伝えしました。
ここまでをまとめると、賃貸マンションを退去するときに掃除をしておきたい場所は以下の4つです。
・部屋
・お風呂
・キッチン
・ベランダ
また退去前のチェックポイントとして、以下の3つを紹介しました。
・目立つ汚れや傷が残っていない
・入居したいと思えるほどきれい
・余分な荷物が残っていない
しっかりと掃除しておくことで、必要以上にクリーニング代を取られることがありません。必要最低限の資金で退去して、新生活にそなえましょう。
またシェアハウスは賃貸マンションほど退去の掃除が厳しくないため、面倒だと感じる人はシェアハウスも検討してみてください。
また退去にともなう清掃や日頃の掃除のために、普段から便利グッズを用意しておくのもおすすめです。
詳しくは、以下の記事をチェックしてみてください。