「同棲していたけれど、別れることになった。でも金銭トラブルとかありそうでこわいな……」
と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
同棲を解消して別れるとき、最も多いのは「金銭トラブル」です。同棲解消は慰謝料こそは発生しないものの、お互いの生活費や退去費用、家具家電など金銭トラブルが起こりやすいです。
しかし同棲解消から別れるときの金銭トラブルは、主に以下の5つにしぼられることが多いです。
・家具家電
・退去費用
・初期費用や家賃、生活費の返却
・お金の貸し借り
・結婚資金(貯金)
トラブルのパターンと対処法を知っていれば、裁判など問題がややこしくなることは避けられます。
そこで今回は、
・同棲していたカップルが別れるときの金銭トラブルと対処法
・別れにつながる同棲中の金銭トラブル
・金銭トラブルを解決せずに別れるリスク
・金銭トラブルを防ぐポイント
を順に解説します。
最後に出費が少ない引っ越し先についても紹介しますので、あわせて参考にしてみてください。
同棲解消して別れたときの金銭トラブル1:家具家電
1つ目は「家具家電をどちらが引き取るか」です。
同棲するときは新しく家具家電をそろえる、もしくは一人暮らしのときに使っていた家具家電を持参することが多いかと思います。折半して購入した場合、家具家電をどちらが引き取るかで揉めることがあります。
次の引っ越し先が一人暮らしならば、お互いに洗濯機や冷蔵庫など、最低限の家具家電を必要とするからです。
彼氏(もしくは彼女)が購入したものであればその購入者が引き取れば問題ありません。
お互い折半していたときの対策は「同額になるように家具家電を分けること」。
例えば、以下です。
・彼氏:洗濯機と掃除機、ソファ
・彼女:冷蔵庫とテレビ、ミニテーブル
話し合いは必要になりますが、金額が同じくらいになるように分ければ不満は感じにくいです。
トラブルを防ぎたいなら、同棲をスタートするときに「彼氏が冷蔵庫、彼女がテレビを購入」というように、支払いを個別にしておきましょう。
同棲解消して別れたときの金銭トラブル2:退去費用
2つ目は「退去費用をどちらが支払うかで揉めた」です。
賃貸マンションを退去するとき、「クリーニング代」など退去費用が発生することがあります。これは最後の管理人さんによる立会いで、傷や汚れが確認されたときに請求されるもの。次の入居者が住みやすいように、部屋を掃除、改修することになります。
折半できれば問題ありませんが、傷や汚れの原因によっては片方に負担がかかることも。
例えば、
・タバコのヤニ汚れでクリーニング代を請求されたので喫煙者の彼氏が負担するべき
・デスクがスレて床に傷がついたので使用者の彼女が負担するべき
などです。
また原因が分からないものに対して相手が折半に応じてくれず、自分に負担がかかる可能性もあります。
対処法は「クリーニング代は折半しよう」と、同棲解消が決まったときに確認しておくこと。クリーニング代の請求は退去日に分かることが多いので、立会う人が不利になりやすいです。あらかじめ決めておくことで、相手も支払いに応じてくれやすいです。
ただしクリーニング代は、入居するときに支払った「敷金」から負担されることがほとんど。そのため同棲相手に伝える前に、不動産会社などに「敷金から支払えませんか?」など、確認してみるのもおすすめです。
同棲解消して別れたときの金銭トラブル3:初期費用の返却
3つ目は「これまでの初期費用や家賃、生活費の返却を求められた」です。
同棲と別れを切り出した場合、相手から「今までの初期費用や家賃、生活費を返して」といわれるケースが少なくありません。基本的に返却の義務はありませんが、相手が別れに納得できないことから、ムリな要求をしてくることもあります。
あなたが相手に生活費などほとんど負担してもらっていた場合も、これまでのお金を請求されることがあります。
対処法は、主に以下の3つ。
・返却される敷金はすべて相手に渡すこと
・家具家電をすべてゆずってしまうこと
・退去費用が発生したら自分が負担すること
お金を渡す必要はありませんが、家具家電や敷金などはすべて相手に渡しましょう。あなたが損をするかもしれませんが、同棲解消を納得してもらえず裁判などになるよりは出費をおさえられます。
また退去費用が発生したとき、あなたが負担するのもおすすめ。出費にはなりますが、「これだけ負担してくれたんだし……」と納得してもらいやすくなります。
同棲解消して別れたときの金銭トラブル4:お金の貸し借り
4つ目は「お金の貸し借りがあったが、返してもらえない」です。
カップル間で、お金の貸し借りがあった人もいるかと思います。また相手のお金に対するルーズさに嫌気がさして、別れを選んだ人もいるかもしれません。
対処法は以下の2つです。
・返却してもらえないか話し合う
・返却してもらえないときは退去費用などを相手に支払ってもらう
まず一度は「これだけ貸しているから返してほしい」と伝えてみましょう。それでも難しい場合は、相手に退去費用など同棲解消にともなって発生する支払いを負担してもらうのがおすすめです。
最初からあきらめずに、一度は返してほしいことを伝えてみてください。
また同棲を始めるとき、カップルとはいえ「お金の貸し借りはしない」などルールを決めておくのもおすすめ。あらかじめ厳しく伝えておくことで、「この人はしっかりしている」といった印象も与えられます。
同棲解消して別れたときの金銭トラブル5:結婚資金(貯金)
5つ目は「ふたりで貯めていた結婚資金をどうするか」です。
別れることになったとき、結婚に向けた貯金をどのようにして分けるかで揉めることは多いです。
対処法は、以下の3つ。
・これまでの入金額をもとに、自分が貯めたぶんだけ返してもらう
・貯金を退去費用や引っ越し代金にまわす
・入金額に関係なく、折半する
最もおすすめなのは「お互い入金したぶんだけ返してもらうこと」。自分が貯金したぶんだけ返ってくるので、不公平ではありません。
もしくはクリーニングなどで退去費用が発生した場合、貯金をその支払いに使うのもひとつの手段です。
そして上記のトラブルはしっかりと解決しないと、後から新たなトラブルを呼び込むことも多いです。次でそのリスクを紹介しますね。
同棲カップルが金銭トラブルを解消せずに別れるリスク
同棲していたカップルが金銭トラブルを解消せずに別れると、以下のようなことが起こります。
・相手の親や家族と話し合いになることもある
・後から高額な費用を請求される
・しつこく連絡がくる可能性もある
・裁判などで争うことになる
しっかり解決できていないと、相手の親や家族と話し合いになることも。また後から高額な費用を請求されたり、金銭トラブルを理由にしつこく連絡がくることもあります。
お互い納得して別れるためにも、上記の金銭トラブルはしっかりと解決しておきましょう。もしくは何度かお伝えしたように、別れを切り出した人がお金を多く負担するのもひとつの対策です。
ここまで同棲解消による代表的な金銭トラブルやリスクを紹介しました。
金銭トラブルは同棲中にも発生しやすく、内容によっては別れにつながることも少なくありません。そこで次は、別れにつながりやすいトラブルを紹介します。
【同棲中編】別れにつながるトラブル
同棲中によくあるトラブルは、以下の3つです。
・家事の分担ができていない
・生活費をどちらか片方が負担していた
・不満があってもガマンした
同棲をスタートする前、「家事や生活費の支払いは分担しよう」と決めるカップルが多いかと思います。しかし実際に同棲が始まると、うまく分担できずにどちらかに偏ってしまうことは多いです。
特に多いのが仕事に忙しい男性が家事をしなくなり、女性がほとんどの家事を担当するケース。女性もフルタイムで働いている人が多くなっているので、仕事と2人分の家事を負担するのは簡単ではありません。
また上記のようなできごとから不満を抱えても、ガマンしてしまう人がとても多いです。しかし小さなガマンは、いつか爆発します。違和感を感じたらすぐに相手に伝えて、解消していくようにしてみてください。
そのときにあなたの意見を聞いてくれない相手とは、結婚生活もうまくいかないことが多いです。その場合、早めに別れることもひとつの選択肢なのではないかと思います。
次は、このようなトラブル防止のポイントをいくつかお伝えしますね。
金銭トラブルによる同棲解消や別れ、トラブルを防ぐ3つのポイント
金銭トラブルによる同棲解消、もしくは別れることになったときの金銭トラブルは、以下のことに注意すれば予防も可能です。
【同棲前や同棲中】
・お互い収入が不安定な状態では同棲をしない
・同棲を始める前にルールをしっかりと決めておく
・納得できないことや不満はすべて伝える
【同棲解消が決まった後】
・同棲解消を切り出した方が多めに負担する
・第3者を介して冷静な話し合いの場を設ける
上記のポイントを意識することで、同棲解消することなく結婚まで進むことも可能でしょう。
同棲していた人が別れると、次の住居探しのお金も必要
ここまで同棲解消による金銭トラブルを紹介しましたが、別れたあとは新しい家探しも必要です。しかし「退去費用を負担した」「家具家電はほとんど相手に渡した」という場合、新たに一人暮らしを始めるのは大きな負担となる人も多いかと思います。
そのような場合は「シェアハウスへの入居」がおすすめ。その理由は以下の3つです。
・初期費用が10万円ほどと安い
・家具家電がほとんど用意されている
・シェアメイトもいるので寂しさを感じにくい
シェアハウスは賃貸マンションよりも家賃が安いうえに、初期費用に「敷金・礼金」を必要としません。そのぶん初期費用が少なくなり、支払いは10万円ほどにおさまることが多いです。
また家具家電はほとんど用意されているので、購入する必要がありません。出費をおさえるうえに、日常生活をすぐに始められるのもシェアハウスのメリットです。
シェアハウスについてイメージしにくいときは、以下の記事を参考にしてみてください。
まとめ 同棲カップルが別れるときの金銭トラブルは対処法を知っていれば安心
今回は、同棲していたカップルが別れるときによくある金銭トラブルを紹介しました。
おさらいすると、代表的な金銭トラブルは以下の5つです。
(1)家具家電をどちらが引き取るか
(2)退去費用をどちらが支払うか
(3)これまで支払った初期費用や家賃、生活費の返却を求められた
(4)貸したお金が返ってこない
(5)ふたりで貯めていた結婚式をどうするか
また以下のトラブルは同棲解消につながりやすいので、注意が必要です。
・家事の分担ができていない
・生活費をどちらか片方が負担していた
・不満があってもガマンした
あなたが同棲解消を切り出した場合、費用を多めに負担することで相手が納得してくれることもあります。
すべての金銭トラブルを解決したあと、引っ越し先に困ったときはシェアハウスも検討してみてください。
また同棲解消したあと「しばらく恋愛はいいけれど、シェアハウスでも恋愛トラブルとかあったら嫌だなあ……」と感じる人もいるのではないでしょうか。
シェアハウスではカップルが誕生することもありますが、全員が恋愛を求めているわけではありません。基本的には親友や家族のような距離感で接することができます。
詳しくは、以下の記事を参考にしてみてください。