ひだまりに住む住人へのインタビュー。今回は大学入学と同時に入居してくれた、たくみんです。
たくみんは進学と同時に熊本に引っ越すことをきっかけに、ひだまりに入居してくれました。「話す機会が多そう」というきっかけで入ったシェアハウスでどんな出会いがあったのか?どういうふうに考え方が変化したのか?
また、シェアハウス生活がきっかけで決意した留学についてもお伺いしました。
ひだまりに入居したきっかけは熊本への進学
ー本日はよろしくお願いします。たくみんは、いまひだまりのシェアハウスに住んで何年くらい?
4年と〜2ヶ月です。
ー大学1年生からだもんね。そもそもなんで、ひだまりを選んでくれたんだっけ?
「進学」がきっかけですね。大学入学をきっかけに熊本に来ることになったんですけど、でも親戚もツテも何もなかったんです。
あとは「話す機会が多そうだから」。俺が個人的に話す機会がないと死んじゃう人間だってわかっていたから、話すのが多いのがシェアハウスかなと思いました。
しかも、当時のシェアハウスのイメージは「学生しかいない」「若い」。話しやすいかなと思ったけれど、実際は学生がいない(笑)みんな年上で、俺しかいないじゃないかってなりました(笑)。
在学中の4年間、ひだまりに住み続けた理由
ーなるほどね。たくみんは4年間住んでくれたけれど、実は大学入学から4年間住んでくれた子って初めてだから、「何で4年住んでくれたの?」って聞きたい。例えば学年変わるタイミングとか、一人暮らししたくなる時期もあると思うんだけど。そこでシェアハウスに住み続けた理由って何かある?
1回も考えたことないかな。一人暮らししようって。
ーへー!
あまりにもここの居心地が良かったから(笑)。ストレスをまったく感じなかった。他の住人とのトラブルはほぼないし、みんな基本年上だから吸収することしかなかった。
ーなるほど、しかも人も適度に入れ替わるし、そんな過度に接触するわけでもないしね。
そうそう。僕たぶん4年間で住人と2人で食事行ったのって、2回しかないんですよね。
ー意外!
家の中でみんなご飯食べるから。適度な距離感でなんとも言えない、本当に家族みたい。あんまり外には食べに行かないけれど、家ではずっと一緒にいる。
ー確かに。ちなみに、学校以外にコミュニティがあるってどんな感じ?
例えば普通は学校のクラスとサークル、バイトもあるよね。一人暮らししていたら一人で生活するけれど、そこにまたシェアハウスっていうコミュニティがあるじゃん。
関係性は家族に近い。普段本当の家族にも相談しないことも相談できるし、ふれるのが難しい話題もできる。ここでしか話せないこともたくさんできる。
特に俺が入居したときはみんな年上だったので、どんなに小難しい話をしてもみんなが受け止めてくれて、聞いてくれたんです。難しそうな話をして答えが返ってくるのはシェアハウスだけですね。
ひだまり入居前と入居後の変化は?
ー4年間シェアハウスに住んでみて、住む前と住んでみた後は何か変わったことはある?
めちゃめちゃありますね。最初19歳でここ入ってきて、年上の社会人に会って。自分を隠すことがいかに不利益か、実感しました。
今まで学生時代は自分を隠すというか、本心を言わないし、自分をさらけ出さない方が多かったんです。でもシェアハウスで、変わった人って限りなく自分の個性を持っていて、それを大事にしていると感じたんです。個性を人に出すことに抵抗もなく、イキイキと話す姿を見ていて。これまでの自分がすごいもったいなく、情けなく感じた。
でも個性を出す姿を自分が真似しようとしてもすぐにはできないから、初めの1年くらいは自分の本心をうまく出せないまま終わって。
ー学校でも?
そうです、そんなに出せなかった。でもシェアハウスでは2年目くらいから、無理に力入れなくても良いことが分かってきました。夜、みんなで集まったときに自分の思っていることを話すとか。これが1番大きい変化ですね。
ー自分の思っていることを言った方が良いというか。
相手にとってこの考え方はよくなさそうだから言わないんじゃなくて、あえてそこで言う。伝えることで自分が出したかったものを出せることもあれば、ぶつかることもある。
でもシェアハウスは相手が大人なので、寛容さがちがうわけですよ。俺なんかちょっとでも気にさわることを言われたらカチンとなりますけど、やっぱり相手が年上の人だと、俺が失礼なこといっても受け止めてくれる。
それをくり返した結果、成長したんじゃないかなあと。俺が1番成長したところだと思う。
これは絶対に、同世代から手に入るものではないですね。
シェアハウス生活で身についたこと
ここに住んだおかげで、自分の考えを分かりやすく伝える方法が身についた。
最初の1〜2年目はただ言うだけでした。でも3〜4年目からは、自分の思っていることを伝えやすくするために、自分の言葉に重きを置いたりして。共同生活で人と話して、自分の考えを伝えるには言葉を選ばないと何も伝わらないって感じました。
ー4年間住んで、同世代とシェアハウスでのコミュニケーションに違いを感じたことはある?
ありますね。同世代と話しづらいわけじゃないけれど、俺がそういう話をしようとしても「うん」とか、同意だけで終わって、議論に発展することは絶対ない。若干の否定も入れてくるけれど、「俺はこう思うけどね」って、自分の意見を出す人がまずいない。
ー確かにいないかも。
シェアハウスも誰も濁そうと思って言っているわけではないですけど、「いやでも違うんじゃない?」と言われる場面は、何度か目撃してきたので。
だから、年数が経つにつれて話の伝わり具合が良くなっているなって実感しています。大学1年生のときに話したことを、大学3、4年生でまた同じ話をすることがあったんです。話の根幹は一緒なのに、話し方が変わるだけで伝わり具合がグッと上がっている実感があった。
1年生のころは、思っていることを言いたいだけ言って、暴論のような成立していない、非論理的な話をしていました。それを「初めて自分の意見を大人に言った、やったー」って感じていて。
でも別の人に同じ話をしたときに「もっと良い伝え方あったな」って思ったんです。ここにずっと住んでいたからこそ、差が分かりました。
シェアハウス生活で自分の考え方が変わった瞬間
ーシェアハウス生活でいろいろあった中で、「自分の考え方が変わったな」っていうエピソードはある?
何かなー。「自分の意見を主張する大切さ」みたいなところですかね。
前にあいちゃんっていう日本人のシェアメイトが住んでいたときに、また別の海外からきているジョージっていう住人と価値観が食い違うことが多かったんです。でもジョージは英語しか話せなくて、あいちゃんはニュアンスでしか理解してないから。
あるとき、あいちゃんがゴリゴリの日本語で「それは違うでしょ」って言い返していて。日本語のわからないジョージに対して言っていたんです。そこまで言うってことは、自分の意見を大事にしてるってことじゃないですか。言語が違う人に通じない言葉で自分の意見を言うってことは、あいちゃんの中ですごい大事な問題なんだなって感じた。
自分の意見を主張することは、自分を守ることにもつながるんだなと。言わないことが自分を否定するというか。「すごい、ここは言わないとダメなんだ」って思いました。
ー伝わらなかったとしても、言うことが大切?
俺は「ここでみんなで仲良く暮らしていて、意見が食い違って、しかも言語も伝わらないのに言う」っていうのが、なかなか衝撃でした。意味ないじゃないですか(笑)。
理解できなくても言うってことは、自分の意見を大事にしてるんだって。それって大事なことなのかな、って思ったりはしましたね。
シェアハウス生活が留学を決意するきっかけに
あと外国人のシェアメイトと一緒に生活したことで、留学をするきっかけになりました。今年の8月に渡航します。
入居してから3年半くらいずっと、外国人の住人とも一緒に住んでいた期間があったんです。ジョージ、マック、サンダーっていう海外からの同居人と交流したことで、決意できました。
実はコロナの影響で、当初の予定から1年半くらい渡航できていないんです。でも、「それでもやっぱり留学しよう!」と思えているのは、ひだまりのシェアハウスで海外の人とずっと一緒に住んでいたから。
ーそうなんだ!
ひだまりのシェアハウスで一緒に住んで「外国人とはいえ、めっちゃ一緒じゃん!」って。若干文化や習慣の違いはありますけれど、変わらないと感じました。3年くらい一緒に住んでいたので、留学に対する抵抗が一切なくなりましたね。
ーおー。留学しに行こうって決意したのはなんで?
自分のやりたいこと・目指す方向を考えたときに、「自分は意外と日本じゃないところで働きたいんじゃないか」って思い始めて。
ーおぉ。
この生活を捨てて、日本じゃないところで生活しても良いんじゃないかって思い始めたんです。そのためには何かしらのスキルがいるし、英語を話せるのは大前提。その英語を習得する方法が留学で、「とりあえず向こうで肌で感じてみよう」と留学することにしました。
コロナで出発できない期間も、シェアハウスに住む人と話す機会があったので、情熱を消さずにいられました。今年の8月にようやく出発できます。たぶん外国人がこの家にいなかったら留学していないですね。今ごろどこかで就職しています。
ーなるほどね。
あと、住人のサンダーとジョージにも影響を受けました。卒業後の進路は「就職」だけじゃないんだって。
彼らが26〜27で日本にきたのかな。サンダーは現地の高校を卒業して、大学中退して、そのあともう1回日本語学校に通っている。しかも、熊本の大学にはまた1年生から通い始めていることを聞いて、「人生の選択肢って1つじゃない」って感じました。
みんな高校・大学・就職って一直線の流れに乗っているイメージだったんです。でもそれは、本当に選択肢のうちの1つなんだなって実感しました。
それもあるからこそ、大学卒業後にそのまま就職せず、アルバイトをしながら留学に向けて準備をしているんですけど(笑)。
ーある意味ロールモデルというか……
そうですね、目の前に見本があった。大学卒業してそのまま新卒で就職するのが太い道ではなく、それは細い道の選択肢の1つなんだなって思いました。
普通は30歳を目前に海外(日本)に行くのって、すごく不安になるじゃないですか。本人じゃないのに俺が「その年で大学卒業したらもう30よ?そっからどうするの?」って、漠然とした不安を抱えていて(笑)。
でも本人はまったくそんな感じじゃない。一般的な大学を卒業して就職してそこで働くのは、周りに流されてるんじゃないかって考え出して、いまはそれに抗おうとしています(笑)。
昔の自分にメッセージ
ー最後に、これを聞いている高校3年生とか、もしくは昔の自分に言いたいことってある?
高校3年生?!!(笑)
言いたいこと・・・「いかに早く自分を解放するかが大事」ということですね(笑)。なるべく早く、どんな目にあっても良いから、抑えている自分を出すこと。これが絶対に将来大きな変化をもたらすきっかけになるはずです。これはもうひだまりのシェアハウスに住んでわかりました。
ー楽になるっていう感じ?
そうです。言ってしまって失うものもあるけれど、失ったことで何か得るものもあるから。経験かな。シェアハウスに住んで1番重要だなって思いました。
これまでは周りの空気を読んで、あわせる喋り方をするものでしたけど、自分にとっては不正解。周りにとっては正解でも、自分にとっては不正解。不正解が溜まり続けると、いつか自分が崩れるというか。
ー解放したら、それは普通になる?
そうですね。俺、最初に自分を解放したときは話し方が下手すぎて、何も伝わってないなって思いながら話していたんです。でも、去年あたりから話せているなって感じて。
自分をいかに早く解放するかで、2〜3年後にその話をうまくできるか変わってくると思います。
ーそれは、シェアハウスが解放しやすい環境ということかな。
そうですね。自分が解放していないことに気付いたのがシェアハウスでもあります。
ーじゃあ、シェアハウスのみんな解放していた?
俺のイメージはそうですね(笑)。みんなすごい意見言う。「いまその話したら話進まなくない?」って思うような、逆のこともみんなグッて踏み込むから。
この家では、むしろいままで自分が自然だと思っていた状態が不自然なんだなって思って、次第に自分もあわせて解放するようになりました。
ーなるほど。
今の自分にとってはかなりの財産です。
ーたくみん、ありがとうございました!留学がんばってください!
まとめ シェアハウス生活は新たな発見や出会いがたくさん!
今回は、大学4年間をひだまりで生活してくれたたくみんにインタビューしました。
最初は「同世代が多そう」と入居したシェアハウス。いざ入ってみると年上が多かったものの、それがコミュニケーションを見つめ直すきっかけになったようです。
また外国人のシェアメイトとの交流が、卒業後の進路を考えるきっかけに。コロナで渡航が難しくなりつつも、シェアハウス生活のおかげでその情熱を絶やさずここまでこれたようです。
数は多くないものの、ひだまりではたくみんのような学生の入居者もいらっしゃいます。貴重な学生生活だからこそ、ちょっと違う生活を体験してみませんか?
熊本には家賃が低価格の、学生さんも住みやすいシェアハウスがたくさんあります!熊本大学の学生さんなど、1度見学だけでもしてみてくださいね。
たくみんの住むシェアハウスはこちら。
https://sharehouse-hidamari.com/honjo
熊本のシェアハウス一覧はこちら。